2021年に行われた東京2020パラリンピックのボッチャ競技で日本代表ボッチャ選手陣の「火ノ玉JAPAN」は金・銀・銅のメダル獲得。
私たちに感動と勇気を与えていただきました。
「火ノ玉ジャパン」の活躍でボッチャは注目のパラスポーツになり、ルールや審判用具や競技用具、審判員のやり方、どれだけの人数で競技できるのか興味をもたれています。
そんなボッチャは、障害者スポーツではありますが、健常者も楽しめるスポーツです。
そこで、全国障害者スポーツ大会におけるボッチャ競技のルールや概要をもとにボッチャの概要から簡単なルール、審判団の流れを説明します。
ボッチャは高齢者や子どもたちも手軽に出来るスポーツなので、誰もが出来るボッチャの審判のやり方、必要人数や必要用具を簡単に説明していますので参考にしボッチャを楽しんでください。
ボッチャ審判と必要用具の説明
ボッチャ競技では審判のやり方を知るには、ボッチャのルールをまずは理解しましょう。
ボッチャで使用する必要な競技用具、審判用具を説明します。
ボッチャコートづくり
ボッチャのコートは、バドミントンのコートと同じくらいの大きさです。
12.5m(縦)× 6m(横)です。
会場の広さの都合でコンパクトにしたい場合のミニコートサイズでもできます。
6m(縦)× 4.2m(横)です。
※()内に表記したサイズがミニコートのサイズになります。
コートづくり用メジャー
2本(12.5m以上のもの)
コートづくり用ラインテープ
5cm幅のテープ
ガムテープやビニールテープなどは、粘着力が強く取り除いた後に床がねちゃねちゃします。
マスキングテープなどを代用すると貼って剥がせるため便利です。
競技用具
ボッチャ競技選手が主に使うもの。
ボッチャボール1セット
- 赤6個・青6個(カラーボール)
- 白1個(ジャックボール:目標球とも)
多いと反側になり没収となります。
買うと高いボッチャのボールを手作りしてみましたので参考にしてみてください。
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ランプ
- 自力で手投げによる投球ができない人が使用します。
- 操作はアシスタントの支援の下でボールを転がす道具です。
- 照準器や発射装置は付けることができません。
公式試合では、試合中に選手と話をしたり、サインを出したり、コートを見ることはできません。
選手の指示通りにランプを動かしたり、車いすの向きを変えたりします。
手投げの場合は、ボールを握らせる、ランプの場合は、ランプの操作、ボールのセットなど、あくまでも選手の代わりにランプとボールをセットするだけになります。
試合中の選手への声かけも禁止です。
ランプを使えば身体が思うように動かない人でもボッチャを楽しむことができます。
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審判用具
パドル(指示板)
- 審判が赤または青の投球順序や順番を指示します。
- 点数をパドルの前で示します。
ボール間計測具
ボールとボールの距離を測り、勝敗を判定したり、点数を計測したりします。
- テープメジャー:ボールとボールの間の距離を測定します。
- キャリパー(コンパス):メジャーで測定できない微妙な距離を測定します。
- LEDライト
- すき間ゲージ
計時用具
選手の投球時間を計測します。
- ストップウォッチ
- キッチンタイマー
- 専用アプリ
得点板
- 得点を示すもの。
- バドミントン用の得点板
- 卓球用の得点板
スコアシート
- 出場者を確認します。
- 点数を記録します。
- 試合結果を承認します。
審判用具の使い方はこちらに詳しくまとめていますので参考にしてください。
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ボッチャでのパドルの使い方!キャリパーや審判用具レフェリーの規則
ボッチャの審判のやり方
ボッチャ競技の進め方とともに審判のやり方を説明します。
ボッチャ競技の進め方
ボッチャ競技では、3人以上の一組で構成されたチーム同士で試合を行います。
公式試合は6エンドを行い、合計点の高いチームを勝者とします。
エンド・試合ごとのメンバー交代が可能です。
参加人数やその時の状況により、エンド数を変更して行いましょう。
全国障害者スポーツ大会におけるボッチャ競技などは、障がいのある人の社会参加を目的としています。
そのため大会の主旨を考慮して通常の規則(公式試合など)を大幅に緩和して全国障害者スポーツ大会向けにアレンジされた特別ルールとなっています。
ボッチャボールの投げる順番
ボッチャボールの投げる順番は、コイントス(もしくは代表同士でじゃんけん)で決めます。
勝った方が、赤の先行・青の後攻を決めることができます。
スローイングボックス①③⑤に赤チーム
②④⑥には青チームの選手が入るルールです。
チーム3人で競う場合の持ち玉は1人2球です。
1エンドの一連の流れ
1:コートのスローイングボックスに対戦する選手がボール(持ち玉)を全て持ち位置します。
2:審判の「ジャックボールプリーズ」の合図で第1エンドは先攻チーム(赤)からスローイングボックス①の選手が、ジャックボール(白)を、ジャックボールラインより奥のコートに投球します。
3:審判の指示板(パドル)による合図で(選手に赤色を示す)、ジャックボールを投げた同じ選手がカラーボール(赤)を投球します。
4:次に審判の指示板(パドル)を青色にし、後攻の青チームの選手に投球を促し、青チームが投球します。
このとき、チーム内の投げる順番はチームで自由に決められます。
4。互いに投球し終えると、審判による判定でジャックボールから遠い距離にあるカラーボールのチームが審判の指示板(パドル)による合図で次の投球となります。
最後に投球したチームが次に投球します。
その後も同じ距離が続いた場合は、同じ距離が崩れるか、どちらかのチームが全てのボールを投げきるまで両チームが交互に投球します。
4:ジャックボールに最も近いボールがどちらの色かをボール間計測具などを使用しながら審判が判定します。
5:両チームが全てのカラーボールを投げ終わると、審判は「ボールフィニッシュ」とコールします。
6.審判は、得点をつけ、指示板(パドル)により結果を選手に伝え、代表者や選手全員に確認をしてもらいます。
5。得点が確定したら審判は「エンドフィニッシュ」とコールし、ジャックボール(白)を手に取り1エンドを終了します。
選手は各自ボールを拾います。
ボッチャの審判と人数
ボッチャの審判団の編成人数は3人必要で、その審判団の役割について紹介します。
審判(レフェリー)
- 試合を進行します。
- 勝敗を判定します。
- 反則を判定します。
線審(ライナー)
- 審判の補助(審判の見えないところのチェックなど)をします。
- ボールの回収をします。
計時(タイマー)
- 投球時間の計測をします。
- スコアシート記入をします。
計時はコートの所定の位置である計時席(エンドラインとサイドラインの交差する角)に試合開始前に着きます。
計測用具(タイマー)を確認します。
- ウォームアップ2分
- 各チームの持ち時間6分
タイマーをスタート:審判がパドルを計時に示した時
タイマーをストップ:投球したボールが止まった時・ボールがコートの外出た時
試合の進め方と配置
投球練習(ウォームアップ)
審判は、準備が整ったらクロスとジャックボールラインの間に位置します。
線審は、コートの横スローイングラインの前に位置します。
計時は、得点板の前に位置し計時のタイマーセット(2分)を確認します。
審判は「ウォームアップ プリーズ」とコールします。
選手に投球練習を促し、審判はコートの外へ移動します。
計時は、タイマーをスタートさせます。
審判は、両チームのジャックボールを回収して、得点板の近くに置きます。
パドルやキャリパーを身につけます。
計時のタイマーが6分に設定されているか確認します。
線審は、両チームの練習したカラーボールを回収して選手に返却します。
計時は、赤・青の両タイマーを6分に設定します。
第1エンド準備完了から終了までの流れ
審判は準備が整えばクロスに位置します。
線審はコートの横、スローイングラインの前に位置します。
計時は計時のタイマーセット6分を確認します。
1:ジャックボール投球
審判は、ジャックボールを選手に手渡してコートの外に出る。
「ジャックプリーズ」とコールし(投球を指示するためにコートに向かって腕を振る)選手に赤のパドルを示します。
計時にも赤のパドルを示します。
計時は赤のタイマーをスタート。
ジャックボールが止まったらタイマーを停止。
審判はジャックボールの近くに移動します。
2:赤第1球を投球
審判は選手にパドルの赤を示します。
そして計時にパドルの赤を示します。
計時は赤のタイマーをスタート
線審は違反などの確認を行います。
ボールが止まった時点で計時は赤のタイマーを停止します。
審判は選手とボールの間に移動する。
3:青第1球を投球
審判はパドルの青を示す
次に計時にもパドルの青を示す。
計時は青のタイマーをスタート。
線審は違反などの確認を行います。
計時はボールが止まった時点で青のタイマーを停止します。
審判は常に選手とボールの間に位置します。
4:2球目以降の投球
審判はジャックボールから距離のある方の色のボールチームの選手に投球を指示するためパドルで色を示します。
次いで計時にもパドルを示します。
計時は示された色のタイマーをスタートさせます。
線審は違反などの確認を行います。
5:エンドの終了
審判は「ボールフィニッシュ」とコールし投球を終了させます。
得点を判定し、選手に発表します。
審判は計時にも得点を同じように告げます。
エンド終了の「エンド フィニッシュ」とコールし、伸ばした両腕を交差させ次いで広げます。
計時は得点板の得点を変更します。
同じように決めたエンド(試合)の終了までこの流れを繰り返します。
6:最終得点の発表
審判は最終得点を発表するため、「ファイナルスコア」とコールします。
(例)「スリーレッド」「ツーブルー」
「マッチ フィニッシュ」と試合終了の宣言をします。
ジャックボールを持ち上げます。
「ボールの回収をお願いします」と告げます。
線審は、ボールの回収をします。
計時はスコアシートの記入をし、審判に手渡します。
審判は計時からスコアシートを受け取り、両方のキャプテンの元に赴いて試合結果の承認を確認します。
スコアシートの各承認欄にチェックを入れます。
準備が整い次第、審判が先導して退場します。
競技エリアを出たところで解散します。
まとめ
ボッチャはルールは簡単でも審判用具も競技用具もセットで売っていますが、とても高いものが多いです。
県や市の障害者スポーツ協会などで貸し出しをしてくれたりしますので確認してみると良いでしょう。
ボッチャの審判のやり方は、審判団としての人数は3人、審判と線審と計時が必要です。
競技者も3人以上のチームが2組以上集まればいつでもボッチャ大会を開催することができますね。
お年寄りから子どもまで誰でも楽しめるのがボッチャの特徴です。
審判の流れを覚えてボッチャ競技を身近なスポーツとして楽しんでみてくださいね。
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