車椅子のブレーキには、主にトグル式・レバー式・ドラム式・介助用ブレーキがあります。
大きく分けると、トグル式やレバー式は利用者本人が車椅子を止めておくための駐車ブレーキ、ドラム式や介助用ブレーキは介助者が後ろから速度を調整しやすくするためのブレーキとして使われることが多いです。
ただし、車椅子の種類やメーカー、使用環境によって、ブレーキの形や操作感は異なります。この記事では、初心者や家族介護者の方にも分かりやすいように、車椅子ブレーキの種類と違い、向いている場面、確認しておきたい注意点を整理します。
先に結論:本人が操作する駐車ブレーキならトグル式・レバー式、介助者が押すときの速度調整ならドラム式・介助用ブレーキを確認しましょう。
車椅子ブレーキの種類を比較
| 種類 | 主に操作する人 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| トグル式ブレーキ | 利用者本人 | レバーを前後に動かしてロック・解除するタイプ。比較的少ない力で操作しやすいものが多い。 | 本人がブレーキ操作をする場面、手指の力が弱い方、高齢の方 |
| レバー式ブレーキ | 利用者本人 | レバーを溝にはめ込むように操作してタイヤを固定するタイプ。構造がシンプル。 | 貸出用車椅子、古い車椅子、しっかりした操作感を好む場合 |
| ドラム式ブレーキ | 介助者 | 後輪の車軸付近にあるブレーキで、介助者が速度を調整しやすいタイプ。 | 坂道、屋外移動、下り坂で介助者が押す場面 |
| 介助用ブレーキ | 介助者 | 手押しハンドル付近のレバーで操作するブレーキ。自転車のブレーキに近い感覚で使えるものが多い。 | 介助式車椅子、自走介助兼用車椅子、停止前の減速や速度調整 |
ブレーキの効き方や操作のしやすさは、タイヤの空気圧、ブレーキ位置、部品の摩耗、車椅子の種類によって変わります。効きが悪い、左右差がある、異音がする場合は、無理に使い続けず、販売店や福祉用具専門相談員、修理業者に相談してください。
悩み別に詳しく読む
ブレーキの種類を確認したうえで、気になる内容がある場合は、次の記事もあわせて確認してみてください。
- トグル式ブレーキの仕組みとレバー式との違いを詳しく見る
- ブレーキがゆるい・効きにくいときの原因と調整方法を見る
- ブレーキレバーに手が届きにくいときの延長方法を見る
- 駐車ブレーキのかけ忘れ事故と予防策を見る
- 介助式車椅子と介助ブレーキの特徴を見る
トグル式とは?車椅子ブレーキの種類(レバー式との違い)

最近の車椅子では、操作しやすいトグル式ブレーキを採用しているものが多く見られます。
トグル式とは、
スイッチやレバーなどを操作するたびに、ON/OFFのように二つの状態が交互に切り替わる仕組みのこと。
参照元:Wikipedia
車椅子の場合は、レバーを前後に動かすだけでブレーキの「かける・解除」が切り替わる構造を指します。
なお、呼び方として「タッグル式」「タックル式」と表記されることもありますが、基本的にはトグル式と同じ構造のブレーキです。
トグル式ブレーキは、数ある車椅子ブレーキの中でも特に操作が簡単で、利用者の負担が少ないことから、多くの車椅子で採用されています。
トグル式ブレーキの構造
トグル式ブレーキは、レバー式と同様に車椅子の後輪付近に設置されていますが、操作方法と仕組みが異なります。
多くの場合、サイドガード付近の手が届きやすい位置に配置されており、座ったまま無理なく操作できます。

ブレーキをかけるときはレバーを手前に引き、解除するときは反対方向へ押すだけです。

前後のシンプルな動作のみで操作できるため、ブレーキのかけ忘れや誤操作が起きにくい点も特徴です。
トグル式ブレーキの特徴
トグル式ブレーキの仕組みや操作方法については、写真と動画付きで以下の記事で詳しく解説しています。
▶車椅子トグル式ブレーキとは?仕組みとメリット|レバー式との違い
トグル式ブレーキは、レバー式に比べて少ない力で操作できる点が大きな特徴です。
そのため、手や指の動きに制限がある方や、筋力が低下している高齢者でも比較的扱いやすくなっています。
また、操作方法が直感的で分かりやすいため、初めて車椅子を使用する方でも短時間で使い方を理解しやすい点もメリットです。
現在では、多くの車椅子でトグル式ブレーキが採用されており、日常生活における安全性と自立した移動を支えています。
レバー式のようにタイヤを凹部にはめ込む必要がなく、前後に動かすだけでブレーキ操作が完了するため、操作の負担をさらに軽減できます。
車椅子ブレーキの種類|トグル式とレバー式の違い

車椅子のブレーキには主に「レバー式」と「トグル式」があり、どちらも後輪の前方、サイドガード付近に設置される点は共通しています。
レバー式ブレーキは、レバーを操作して後輪タイヤを物理的に固定する仕組みです。乗り降りの際や、坂道・傾斜地で車椅子を安全に停止させるために重要な役割を果たします。
レバーが差し込まれる平板部分には凹型の溝があり、利用者はレバーをその溝にはめ込むことでタイヤを押さえつけ、ブレーキをかけます。解除する際は、溝からレバーを外す必要があります。
この操作は、車のギアチェンジのように一定の力を必要とするのが特徴です。そのため、利用者自身で操作できない場合は、介助者がブレーキ操作を行う場面も少なくありません。
レバー式ブレーキは構造がシンプルでコストを抑えやすく、公共施設や大型スーパーなどで無料貸し出しされている車椅子によく採用されています。
一方、トグル式ブレーキは、レバー式とは操作方法が異なります。設置位置は同様に後輪前方のサイドガード付近ですが、前後に動かすだけでブレーキの「ON・OFF」を切り替えられる構造です。
レバーを手前に引くとブレーキがかかり、押すと解除されるため、操作は非常にシンプルです。このため、手指の動きに制限がある方や、筋力が低下している高齢者でも扱いやすいという利点があります。
トグル式ブレーキは、レバー式に比べて少ない力で操作できる点が大きな特徴です。利用者の身体的負担を軽減しやすく、現在では多くの自走式・介助式車椅子に採用されています。
まとめると、レバー式ブレーキは構造が単純で耐久性・コスト面に優れる一方、操作には力が必要です。トグル式ブレーキは操作性に優れ、利用者自身が安全に扱いやすい点が評価されています。
近年の車椅子では、レバー式ブレーキを見かける機会は減り、トグル式ブレーキが主流となっています。操作性を高めるため、トグル式ブレーキのレバー部分は長さ調整が可能な仕様になっているものもあります。
レバーの長さは、メーカーオプションで選択できる場合があり、短い場合には筒状の補助具を装着して操作しやすく工夫されることもあります。
車椅子ブレーキ|トグル式とドラム式の違い
車椅子のトグル式ブレーキは、前述のとおり現在もっとも多く使われているブレーキ形式です。後輪タイヤの表面を直接押さえ、摩擦によって車椅子を停止させます。
一方、ドラム式ブレーキは主に介助者が操作するためのブレーキで、タイヤ表面を押さえるのではなく、後輪の車軸部分に組み込まれたドラムを締め付けて制動します。

構造としては、自転車のドラム式ブレーキとよく似ています。
レバー式やトグル式ブレーキは、雨天時にタイヤが濡れることで制動力が低下する場合がありますが、ドラム式ブレーキは内部構造のため雨の影響を受けにくく、安定した制動力を発揮します。
ドラム式ブレーキの構造と作動原理

ドラム式ブレーキは、後輪の車軸に取り付けられた円筒状のドラムを中心とした構造です。
ドラム内部にはブレーキシューと呼ばれる摩擦材があり、これがドラム内側に押し付けられることで制動力が発生します。
このブレーキシューの動きは、介助者が後部ハンドルに取り付けられたブレーキレバーを操作することで制御されます。
使い方と利点
ドラム式ブレーキは、介助者が後部ハンドルのレバーを引くことで制動力を調整します。
利用者本人が操作しにくい場面でも、介助者が後ろからブレーキ操作を補いやすい点が大きな特徴です。
雨天や湿度の高い環境でも制動力が安定しやすいとされ、下り坂や長時間の介助走行でも速度を調整しやすくなります。
必要に応じて制動力を調整しやすいため、坂道や屋外移動など、介助者が速度を確認しながら進みたい場面で役立ちます。
メンテナンスの重要性
ドラム式ブレーキは、安定した制動力を維持するために定期的な点検と調整が必要です。
適切なメンテナンスが行われない場合、制動力の低下や異音、ブレーキの引きずりといった不具合が生じる可能性があります。
不具合を防ぐためにも、介助者による日常確認に加えて、必要に応じて販売店や修理業者に点検・調整を相談しましょう。
ドラム式ブレーキは、安定した制動力と介助時の安全性を重視する場合に選ばれるブレーキシステムです。
車椅子ブレーキの選び方|本人が操作するか介助者が操作するか
車椅子のブレーキは、誰が操作するのかによって選び方が変わります。
利用者本人がブレーキを操作する場合は、手の届きやすさや力の入れやすさが大切です。トグル式やレバー式は、車椅子を止めておくための駐車ブレーキとして使われます。
一方で、介助者が後ろから車椅子を操作する場面では、介助用ブレーキやドラム式ブレーキが役立ちます。坂道や雨の日など、スピードを調整しながら安全に進みたい場面で使いやすいブレーキです。
車椅子を選ぶときは、ブレーキの種類だけでなく、利用者本人が操作するのか、介助者が操作するのかも確認しておきましょう。
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まとめ
車椅子のブレーキには、主にトグル式、レバー式、ドラム式、介助用ブレーキがあります。
トグル式やレバー式は、利用者本人が車椅子を止めておくための駐車ブレーキとして使われることが多く、ドラム式や介助用ブレーキは、介助者が後ろから速度を調整しやすくするために使われます。
レバー式ブレーキは構造がシンプルで、貸出用車椅子や古い車椅子などで見かけることがあります。ただし、操作にはある程度の力が必要になる場合があります。
トグル式ブレーキは、前後の動作だけで操作でき、力をあまり必要としないため、高齢者や手指の動きに制限のある方でも扱いやすいブレーキです。現在の車椅子では、もっとも一般的な形式といえます。
ドラム式ブレーキは、介助者が後方から操作するブレーキで、雨天時でも制動力が安定しており、安全性を重視する場面に適しています。
ブレーキの選択は、利用者自身の身体状況や操作能力、使用環境、介助の有無に応じて考えることが大切です。
車椅子のブレーキは日常的に使用する重要な装置であり、適切なブレーキを選ぶことは、利用者の自立や生活の質の向上にもつながります。
必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら、自分に合ったブレーキを選び、安全で快適な車椅子利用を心がけましょう。


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