車椅子のブレーキには、レバー式・トグル式・ドラム式といった種類があり、構造や使い方、向いている利用者がそれぞれ異なります。
車椅子での移動や外出では、坂道や段差、乗り降りの場面など、ブレーキを使う機会が非常に多く、安全性を左右する重要な装置といえます。
レバー式ブレーキは、後輪の前に設置され、力をかけて固定する構造です。一方、トグル式ブレーキは前後の動作だけで操作でき、力をあまり必要としないため、現在の車椅子で多く採用されています。
また、介助者が後方から操作するドラム式ブレーキは、雨の日でも制動力が安定しており、安全性を重視する場面で使われます。
この記事では、車椅子ブレーキの種類ごとの仕組みや特徴、利用者・介助者それぞれに適した選び方について分かりやすく解説します。
トグル式とは?車椅子ブレーキの種類(レバー式との違い)

最近の車椅子では、操作しやすいトグル式ブレーキを採用しているものが多く見られます。
トグル式とは、
スイッチやレバーなどを操作するたびに、ON/OFFのように二つの状態が交互に切り替わる仕組みのこと。
参照元:Wikipedia
車椅子の場合は、レバーを前後に動かすだけでブレーキの「かける・解除」が切り替わる構造を指します。
なお、呼び方として「タッグル式」「タックル式」と表記されることもありますが、基本的にはトグル式と同じ構造のブレーキです。
トグル式ブレーキは、数ある車椅子ブレーキの中でも特に操作が簡単で、利用者の負担が少ないことから、多くの車椅子で採用されています。
トグル式ブレーキの構造
トグル式ブレーキは、レバー式と同様に車椅子の後輪付近に設置されていますが、操作方法と仕組みが異なります。
多くの場合、サイドガード付近の手が届きやすい位置に配置されており、座ったまま無理なく操作できます。

ブレーキをかけるときはレバーを手前に引き、解除するときは反対方向へ押すだけです。

前後のシンプルな動作のみで操作できるため、ブレーキのかけ忘れや誤操作が起きにくい点も特徴です。
トグル式ブレーキの特徴
トグル式ブレーキは、レバー式に比べて少ない力で操作できる点が大きな特徴です。
そのため、手や指の動きに制限がある方や、筋力が低下している高齢者でも比較的扱いやすくなっています。
また、操作方法が直感的で分かりやすいため、初めて車椅子を使用する方でも短時間で使い方を理解しやすい点もメリットです。
現在では、多くの車椅子でトグル式ブレーキが採用されており、日常生活における安全性と自立した移動を支えています。
レバー式のようにタイヤを凹部にはめ込む必要がなく、前後に動かすだけでブレーキ操作が完了するため、操作の負担をさらに軽減できます。
車椅子ブレーキの種類|トグル式とレバー式の違い

車椅子のブレーキには主に「レバー式」と「トグル式」があり、どちらも後輪の前方、サイドガード付近に設置される点は共通しています。
レバー式ブレーキは、レバーを操作して後輪タイヤを物理的に固定する仕組みです。乗り降りの際や、坂道・傾斜地で車椅子を安全に停止させるために重要な役割を果たします。
レバーが差し込まれる平板部分には凹型の溝があり、利用者はレバーをその溝にはめ込むことでタイヤを押さえつけ、ブレーキをかけます。解除する際は、溝からレバーを外す必要があります。
この操作は、車のギアチェンジのように一定の力を必要とするのが特徴です。そのため、利用者自身で操作できない場合は、介助者がブレーキ操作を行う場面も少なくありません。
レバー式ブレーキは構造がシンプルでコストを抑えやすく、公共施設や大型スーパーなどで無料貸し出しされている車椅子によく採用されています。
一方、トグル式ブレーキは、レバー式とは操作方法が異なります。設置位置は同様に後輪前方のサイドガード付近ですが、前後に動かすだけでブレーキの「ON・OFF」を切り替えられる構造です。
レバーを手前に引くとブレーキがかかり、押すと解除されるため、操作は非常にシンプルです。このため、手指の動きに制限がある方や、筋力が低下している高齢者でも扱いやすいという利点があります。
トグル式ブレーキは、レバー式に比べて少ない力で操作できる点が大きな特徴です。利用者の身体的負担を軽減しやすく、現在では多くの自走式・介助式車椅子に採用されています。
まとめると、レバー式ブレーキは構造が単純で耐久性・コスト面に優れる一方、操作には力が必要です。トグル式ブレーキは操作性に優れ、利用者自身が安全に扱いやすい点が評価されています。
近年の車椅子では、レバー式ブレーキを見かける機会は減り、トグル式ブレーキが主流となっています。操作性を高めるため、トグル式ブレーキのレバー部分は長さ調整が可能な仕様になっているものもあります。
レバーの長さは、メーカーオプションで選択できる場合があり、短い場合には筒状の補助具を装着して操作しやすく工夫されることもあります。
車椅子ブレーキ|トグル式とドラム式の違い
車椅子のトグル式ブレーキは、前述のとおり現在もっとも多く使われているブレーキ形式です。後輪タイヤの表面を直接押さえ、摩擦によって車椅子を停止させます。
一方、ドラム式ブレーキは主に介助者が操作するためのブレーキで、タイヤ表面を押さえるのではなく、後輪の車軸部分に組み込まれたドラムを締め付けて制動します。

構造としては、自転車のドラム式ブレーキとよく似ています。
レバー式やトグル式ブレーキは、雨天時にタイヤが濡れることで制動力が低下する場合がありますが、ドラム式ブレーキは内部構造のため雨の影響を受けにくく、安定した制動力を発揮します。
ドラム式ブレーキの構造と作動原理
ドラム式ブレーキは、後輪の車軸に取り付けられた円筒状のドラムを中心とした構造です。
ドラム内部にはブレーキシューと呼ばれる摩擦材があり、これがドラム内側に押し付けられることで制動力が発生します。
このブレーキシューの動きは、介助者が後部ハンドルに取り付けられたブレーキレバーを操作することで制御されます。
使い方と利点
ドラム式ブレーキは、介助者が後部ハンドルのレバーを引くことで制動力を調整します。
利用者自身の体力や手指の可動域に左右されず、安全にブレーキ操作ができる点が大きな特徴です。
雨天や湿度の高い環境でも制動力が安定しやすく、下り坂や長時間の介助走行でも安心して使用できます。
必要に応じて強い制動力を得られるため、安全性を重視する場面で特に有効です。
メンテナンスの重要性
ドラム式ブレーキは、安定した制動力を維持するために定期的な点検と調整が必要です。
適切なメンテナンスが行われない場合、制動力の低下や異音、ブレーキの引きずりといった不具合が生じる可能性があります。
安全に使用するためにも、介助者や専門業者による定期的な点検・調整が推奨されます。
ドラム式ブレーキは、安定した制動力と介助時の安全性を重視する場合に選ばれるブレーキシステムです。
まとめ
車椅子のブレーキには、レバー式、トグル式、ドラム式の3種類があり、それぞれに特徴があります。
レバー式ブレーキは、ブレーキ力を調整しやすく、ある程度の握力や操作力があり、自力で車椅子を操作できる方に向いています。
トグル式ブレーキは、前後の動作だけで操作でき、力をあまり必要としないため、高齢者や手指の動きに制限のある方でも扱いやすいブレーキです。現在の車椅子では、もっとも一般的な形式といえます。
ドラム式ブレーキは、介助者が後方から操作するブレーキで、雨天時でも制動力が安定しており、安全性を重視する場面に適しています。
ブレーキの選択は、利用者自身の身体状況や操作能力、使用環境、介助の有無に応じて考えることが大切です。
車椅子のブレーキは日常的に使用する重要な装置であり、適切なブレーキを選ぶことは、利用者の自立や生活の質の向上にもつながります。
必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら、自分に合ったブレーキを選び、安全で快適な車椅子利用を心がけましょう。


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