電動車椅子はレンタルできるのでしょうか?料金や介護保険の条件、短期間だけ借りられるかも気になりますよね。
電動車椅子は、自費や介護保険でレンタルできます。ただし、機種・地域・身体の状態によって選べるものが異なります。
この記事では、レンタル料金や借り方、WHILL以外の選択肢、身体に合う機種の選び方を、電動車椅子を使っている当事者の視点から解説します。
電動車椅子はレンタルできる?3つの利用方法
電動車椅子を借りる方法は、主に次の3つです。
| 利用方法 | 特徴 |
|---|---|
| 自費レンタル | 介護保険を使わず、短期・月額などの契約で借りる |
| 介護保険レンタル | 条件を満たす場合、福祉用具貸与として借りる |
| デモ機・試乗 | 購入や機種選定のため、実際に乗って確かめる |
自費レンタルは、介護保険の認定を受けていない人でも利用を検討できます。旅行や一時的な外出のほか、購入前のお試しとして利用できるサービスもあります。
介護保険レンタルは、日常生活で必要な福祉用具を借りる制度です。対象になるには、要介護度や身体状況などの条件があります。
デモ機の貸出は、一般的なレンタルとは別です。
購入を検討するための短時間の試乗と、日常生活で継続的に借りる契約では、期間も費用も異なります。
また、同じ電動車椅子でも、レンタル事業者によって取り扱う機種が違います。希望する機種があれば、まず取扱いの有無を確認する必要があります。
電動車椅子のレンタル料金はいくら?自費と介護保険を比較
レンタル料金は、機種や契約方法によって大きく変わります。
例えば、WHILLの月額レンタルと、一般的な電動車椅子の福祉用具貸与では、料金の仕組みが異なります。
| レンタル事業者 | 機種 | 自費レンタル | 介護保険1割負担 |
|---|---|---|---|
| WHILL公式 | WHILL Model C2 | 月23,800円+往復送料30,800円 | 公式月額プランとは別契約 |
| ダスキンヘルスレント | ヤマハ JWアクティブ PLUS+(標準) | 月28,140円~ | 月2,814円~ |
| 今仙技術研究所の取扱事業者 | Light6 | 取扱事業者に確認 | 対応地域・事業者に確認 |
| ペルモビールの取扱事業者 | 対象機種 | 機種・事業者に確認 | 機種・事業者に確認 |
※2026年11月に確認した公式掲載料金の例です。地域や店舗、機種、利用条件によって異なります。
※介護保険の自己負担は原則1~3割です。表の料金は1割負担の場合の例です。
月額料金だけでなく総額を確認する
WHILL Model C2の公式月額レンタルでは、月額23,800円に往復送料30,800円が加わります。
1か月だけ利用する場合、基本料金と往復送料の合計は54,600円です。追加サービスを利用すれば、さらに費用がかかります。
一方、ダスキンヘルスレントのヤマハJWアクティブ PLUS+(標準)は、自費で月28,140円から、介護保険1割負担なら月2,814円からという料金例が掲載されています。
ただし、両者は提供事業者も契約条件も異なります。
電動車椅子のレンタルでは、月額料金だけでなく送料・最低利用期間・追加費用まで含めた総額を確認しましょう。
1日だけ、短期間だけ借りられる?
旅行や帰省などで、電動車椅子を短期間だけ利用したい場合もありますよね。
短期レンタルに対応するサービスはありますが、「1日あたりの料金」が表示されていても、1日だけ借りられるとは限りません。
例えば、最低4日間の契約が必要なプランなら、使用するのが1日でも4日間の料金がかかります。
また、旅行先で借りる場合は、受取場所・返却場所や配送対応地域も重要です。
申し込む前に、次の点を確認しておくと安心です。
- 最短で何日から借りられるか
- 配送料や回収費用はいくらか
- 旅行先や宿泊先へ配送してもらえるか
- 故障・バッテリー切れの際に対応してもらえるか
- 破損や事故が起きた場合の負担はどうなるか
無料でレンタルできることはある?
メーカーや販売店によっては、購入前の無料試乗を実施しています。
自治体や施設などによる貸出サービスが設けられている場合もありますが、利用できる人や機種、期間はそれぞれ異なります。
無料試乗と無料レンタルは別のものです。
また、障害者手帳を持っているだけで、電動車椅子を全国共通の制度で無料レンタルできるわけではありません。
電動車椅子のレンタルに介護保険や障害者手帳は使える?
電動車椅子に関係する制度には、介護保険と障害者向けの補装具費支給制度があります。
どちらも費用負担を軽減できる場合がありますが、「借りる制度」と「購入などを支援する制度」は分けて考える必要があります。
介護保険でレンタルする場合
介護保険では、車椅子とその付属品が福祉用具貸与の対象になっています。電動車椅子も、対象機種であれば借りられる場合があります。
車椅子の貸与は、原則として要介護2以上が対象です。
要支援1・2や要介護1の人は原則対象外ですが、身体状況などによって例外的に認められる場合があります。
介護保険を利用する場合は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員と相談し、必要性や機種の適合を確認します。
車椅子レンタルの詳しい条件や手続きについては、次の記事で解説しています。
障害者手帳がある場合
障害者向けの補装具費支給制度では、必要性が認められれば、電動車椅子の購入や修理にかかる費用が支給される場合があります。
ただし、障害者手帳があれば自動的に支給されるわけではありません。
補装具費支給制度とレンタルの違い
補装具費支給制度には「借受け」の仕組みもありますが、対象種目は限定されています。電動車椅子本体は、通常の借受け対象として定められていません。
そのため、介護保険の福祉用具貸与と同じように電動車椅子を借りる制度だと考えないようにしましょう。
また、介護保険の対象になる人は、両制度の適用関係を確認する必要があります。
電動車椅子の購入支援については、こちらの記事で詳しく解説しています。
利用できる制度や費用が分かったら、次は機種そのものの選び方です。電動車椅子は、操作方法や姿勢を支える機能が機種によって大きく異なります。
電動車椅子をレンタルするときの選び方|身体に合う機種を見つけるには?
電動車椅子には、WHILLのような近距離モビリティ、従来型の電動車椅子、ティルト・リクライニングなどの姿勢調整機能を備えた高機能モデルがあります。
どのタイプが適しているかは、移動する場所や操作能力、座った姿勢をどの程度保てるかなどによって変わります。
WHILLと従来型の電動車椅子の違い
電動車椅子のレンタルサービスでは、WHILLがよく紹介されています。
WHILLはデザイン性や移動のしやすさが特徴の一つですが、誰にでも適した機種とは限りません。

実はWHILLが登場したとき、私も「かっこいい!乗ってみたい!」と思ったんです。
OXの車椅子を選んだとき、デザインにも惹かれたんですよね。
でも、WHILLは自分の身体に合わないため、残念ながら諦めました。
車椅子は、見た目やデザインが好きというだけでは選べません。
乗ってみたい車椅子と、自分の身体に合う車椅子は必ずしも同じではないのです。
特に体幹を安定させるための支持が必要な人は、背もたれや座面、頭部・骨盤の支え方、姿勢を調整できる範囲なども確認する必要があります。
ティルト・リクライニング機能付きの電動車椅子
長時間座る必要がある人や、座った姿勢を保つことが難しい人にとっては、ティルト・リクライニングなどの機能が重要になる場合があります。
ティルトは、座面と背もたれの角度関係を大きく変えずに、座面全体を傾ける機能です。
リクライニングは、背もたれの角度を変える機能です。
ティルトとリクライニングの違いや、それぞれのメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ティルトとリクライニング車椅子の違い|デメリット・どんな人に使われる?
これらの機能を備えた電動車椅子には、今仙技術研究所のLight6や、ペルモビールの一部モデルなどがあります。
Light6は関東地域で介護保険レンタルが案内されていますが、取扱地域や事業者には制限があります。
また、ティルト・リクライニングが付いているだけで、すべての人に適合するわけではありません。必要な座位保持機能を備えているかどうかは、個別に確認する必要があります。
ペルモビールのデモ機は送料が高くて断念した経験も
高機能な電動車椅子を検討するときは、購入価格だけでなく、試乗にかかる費用も気になるところです。

以前、ペルモビールのデモ機を借りることも検討しました。
でも、往復送料だけで10万円くらいかかりそうだと言われて、試乗を諦めたことがあります。
これは私が問い合わせた際の話であり、すべての機種や地域に共通する送料ではありません。
デモ機の貸出に対応していても、運搬費用が高額になる場合があります。
そのため、デモ機の貸出料金だけでなく、往復送料や搬入・回収にかかる費用も確認しておくことが大切です。
今仙Light6のデモ機を約1時間試乗した経験
一方、今仙技術研究所のLight6(LGS-TR1)は、実際にデモ機を借りて乗る機会がありました。
たまたま業者さんの都合がよく、デモ機を用意していただけたため、約1時間試乗できました。
試したのは室内での走行操作と、ティルト・リクライニング機能です。
実際に座った状態で姿勢を変える操作も試しました。
ただし、室内だけの試乗だったので、屋外での走行性能や段差への対応、長時間使用した場合の快適さまでは確認できていません。

Light6は6輪タイプの電動車椅子で、電動ティルト・リクライニング機能を備えています。
約1時間という限られた試乗でしたが、実機に触れて操作を試すことはできました。

なお、私が利用したのは購入検討のためのデモ機です。一般的な月額レンタルとは異なり、誰でも同じ条件や時間で借りられるわけではありません。
メーカーや福祉用具の取扱業者に相談すると、デモ機を試せる場合もあります。希望する機種がある場合は、試乗の可否や費用を確認してみましょう。
国内外の電動車椅子メーカーについては、次の記事でも紹介しています。
電動車椅子を借りる前に確認したい7つのポイント
希望する電動車椅子が見つかっても、すぐにレンタル契約を決めるのではなく、身体と生活環境に合うか確認しましょう。
- 姿勢保持:頭部・体幹・骨盤など、必要な部分を支えられるか
- 操作装置:ジョイスティックなどを無理なく操作できるか
- 座面や足台:身体に合わせて調整できるか
- 自宅環境:玄関・廊下・エレベーターを通れるか
- 移乗・介助:安全に乗り降りでき、必要な介助を受けられるか
- 充電・故障対応:充電場所を確保でき、故障時の連絡先が明確か
- 契約条件:最低利用期間・往復送料・修理費・解約条件はどうなっているか
姿勢保持が必要な場合は、専門職による適合確認も重要です。
ティルト・リクライニングの有無だけでは判断できません。必要に応じて、医師や理学療法士・作業療法士、福祉用具専門相談員などと相談しましょう。
特に日常生活で長時間使う場合は、短い試乗だけでは分からないこともあります。
可能であれば、普段使用する室内や生活環境に近い場所で操作性や姿勢を確認することが大切です。
まとめ|電動車椅子のレンタルは身体への適合も考えて選ぼう
電動車椅子は、自費レンタルや介護保険の福祉用具貸与で借りられる場合があります。
ただし、レンタルできる機種や料金、対応地域、利用条件はそれぞれ異なります。
- 短期利用や旅行には、自費レンタルが選択肢になる
- 介護保険では、条件を満たせば対象機種を借りられる
- 補装具費支給制度の購入支援とレンタルは異なる
- WHILL以外にも、従来型や姿勢調整機能付きの電動車椅子がある
- デモ機の試乗には、送料などの費用がかかる場合がある
- 料金だけでなく、身体への適合や操作性を確認することが重要
私自身、乗ってみたいと思った車椅子を身体に合わず諦めたり、デモ機の送料が高額で試乗を断念したりした経験があります。
一方で、Light6のように実際にデモ機を借りて試せたこともありました。
電動車椅子は「借りられるか」だけでなく、「自分の身体に合った状態で使えるか」まで確認して選ぶことが大切です。

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