車いすラグビーで使われるボールは、一般的なラグビーのような楕円形ではなく、バレーボールに近い丸いボールです。
車いすを操作しながら、ボールを手で保持したり、パスやドリブルをしたりする競技のため、ボールも車いすラグビーのプレーに合ったものが使われています。
この記事では、車いすラグビーのボールの特徴を中心に、得点方法や8秒ルール、持ち点制、タックル、主な反則など、観戦するときに知っておきたい基本ルールをわかりやすく解説します。
車いすラグビーがどんな競技なのか、ほかの車いす競技とあわせて知りたい方は、パラリンピックの車いす競技一覧も参考にしてください。
車いすラグビーのボールは丸いボールを使う
車いすラグビーで使用するボールは、一般的なラグビーで使われる楕円形のボールとは大きく異なります。
車いすラグビーでは、バレーボールに近い丸い形のボールを使用します。
車いすラグビーでは、選手自身が車いすを操作しながらボールを保持し、味方へパスしたり、床へバウンドさせたりしてゴールを目指します。
つまり、車いすの操作とボール操作を同時に行う競技です。
丸いボールは、こうした手で保持する、パスする、ドリブルするという車いすラグビーの競技特性に合った形と考えると分かりやすいでしょう。
「車いすを使うから丸い」「足を使えないから丸い」と単純に説明するのではなく、車いすを操作しながら手でボールを扱う競技の仕組みと合わせて理解するのがおすすめです。
ボールを見ただけでは一般的なラグビーとはかなり違って見えますが、相手のゴールラインを目指してボールを運び、得点を競うところにはラグビーらしさがあります。
車いすラグビーとはどんなスポーツ?
車いすラグビーは、四肢に障害のある選手が参加するパラスポーツです。
1チーム4人の選手がコートに入り、ボールを持って相手側のゴールラインを越えることで得点します。
競技用の車いすを使い、パスやドリブルをしながらボールを運びます。
一般的なラグビーとは異なり、前方へのパスも可能です。
また、車いす同士の接触が認められていることも大きな特徴です。

スピードのある車いす操作、味方へのパス、相手選手の進路を止める車いす同士の接触などが続くため、試合展開が速く迫力があります。
車いすラグビーの基本ルール
ここからは、初めて観戦するときに知っておくと分かりやすい基本ルールを見ていきましょう。
試合は1ピリオド8分を4回行う
車いすラグビーは、1ピリオド8分間を4ピリオド行います。
試合が止まると時計も止まるため、実際の試合時間は32分より長くなります。
1チーム4人で持ち点の合計に上限がある
車いすラグビーでは、選手一人ひとりに障害の程度や身体機能に応じた持ち点があります。
持ち点は0.5点から3.5点まであり、基本的に障害が重い選手ほど点数が低くなります。
コート上の4人の持ち点は、原則として合計8.0点以内になるように編成します。
女性選手がコートに入る場合は、チーム編成上の上限に加算があります。
| 女性選手の持ち点 | チーム上限への加算 |
|---|---|
| 0.5~1.5点 | 1人につき+0.5点 |
| 2.0~3.5点 | 1人につき+1.0点 |
そのため、「女性選手が入れば一律で0.5点加算」という仕組みではありません。
ボールを持ってゴールラインを越えると得点
得点は、ボールを保持している選手が相手側のゴールラインを越えることで入ります。
ゴールラインを通過するときは、車いすの車輪のうち2輪がゴールラインを越える必要があります。
ボールは8秒以内にパスかドリブルをする
ボールを持った選手は、車いすを何回漕いでも構いません。
ただし、ボールを持ち続けたままプレーできるわけではなく、8秒以内にパスをするか、ボールを床へバウンドさせるドリブルを行う必要があります。
以前は10秒とされていましたが、現在のルールでは8秒です。
一般的なラグビーとは違い、車いすラグビーでは前方へのパスも認められています。
12秒以内にセンターラインを越える
オフェンス側は、バックコートでボールを得てから12秒以内にセンターラインを越える必要があります。
また、一度ボールをフロントコートへ進めたあと、再びバックコートへ戻すことはできません。
40秒以内に得点を目指す
攻撃側には40秒の攻撃時間があります。
ボールを保持したチームは、この時間内に得点を目指して攻撃します。
車いすラグビーでは車いす同士のタックルが認められている
車いすラグビーの大きな見どころが、車いす同士の接触です。

相手の進路を止めたり、味方が進むスペースを作ったりするために、競技用車いす同士を接触させるプレーが行われます。
ただし、どのようなぶつかり方でも認められているわけではありません。
危険な角度からの接触や、相手を転倒させる可能性の高い行為などには反則が定められています。
車いすラグビーは、かつて「マーダーボール」と呼ばれていたことでも知られています。激しい接触は競技の特徴ですが、安全性と公平性を保つため、接触にも細かなルールがあります。
車いすラグビーの主な反則
車いすラグビーでは、時間制限の違反や危険な接触などが反則になります。
8秒ルールなどの時間制限違反
ボールを保持したまま8秒以内にパスやドリブルをしない場合や、12秒以内にセンターラインを越えない場合などは、バイオレーションになります。
バックコート・バイオレーション
一度フロントコートへ進めたボールをバックコートへ戻すと、バックコート・バイオレーションになります。
スピニング・ファウル
車いす同士の接触自体は認められていますが、相手の車いすを危険に回転させたり、転倒につながるような接触をしたりするとファウルになることがあります。
手や腕を使った不正な接触
相手選手や相手の車いすを手や腕で押さえたり、不正に接触したりする行為もファウルになります。
反則の種類や状況によって処置は異なりますが、一般的な守備側のファウルでは、30秒間ペナルティーエリアに入る処置などがあります。
相手チームが得点した場合など、条件によってペナルティーが早く終了することもあります。
観戦するときに反則の正式名称をすべて覚える必要はありません。「危険な車いす接触」「手や腕による不正な接触」「時間制限」といったポイントを知っておくだけでも、試合の流れが分かりやすくなります。
車いすラグビーのボールを見ると競技の特徴が分かる
車いすラグビーのボールが一般的なラグビーとは違う丸い形をしていることは、この競技ならではの特徴の一つです。
選手は車いすを操作しながらボールを手で持ち、味方へパスし、8秒以内にドリブルやパスをしながらゴールを目指します。
さらに、相手の進路を車いすで止めたり、味方のためにスペースを作ったりするため、ボール操作と車いす操作の両方が重要になります。
車いすラグビーを見るときは、ボールを持っている選手だけでなく、ボールを持っていない選手の車いすの位置や接触にも注目すると、戦術が見えやすくなります。
車いすラグビーを題材にした日曜劇場『GIFT』については、日曜劇場『GIFT』と車いすラグビーを解説した記事で、競技がどのように描かれているかも紹介しています。
まとめ
車いすラグビーでは、一般的なラグビーの楕円形ではなく、バレーボールに近い丸いボールを使用します。
これは、車いすを操作しながら手でボールを保持し、パスやドリブルを行う競技の特徴と合ったものです。
- 1チーム4人でプレーする
- 1ピリオド8分を4ピリオド行う
- ボールを持った選手は8秒以内にパスかドリブルをする
- 12秒以内にセンターラインを越える
- 攻撃時間は40秒
- 車いす同士の接触が認められている
- 危険な接触や不正な手の使用などはファウルになる
まずは「丸いボールを使う」「8秒以内にパスかドリブル」「車いす同士の接触がある」の3つを覚えておくだけでも、車いすラグビーはぐっと観戦しやすくなります。
ほかのパラリンピックの車いす競技については、パラリンピックの車いす競技一覧でまとめています。


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