パラリンピックの意味や語源を知っていますか?
パラリンピックはオリンピックと同時開催で4年に1度行われますが、多くの人がイメージするのは、身体に障害のある選手(身体障害者)が行うオリンピックみたいなものではないでしょうか。
パラリンピックには身体障害者だけではない障害者がアスリートとして参加してきた歴史があります。
パラリンピックの歴史を簡単に子供向けに誰にでも分かるように、オリンピックでは無くなぜパラリンピックという名前なのか、その語源から紹介します。
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パラリンピックの意味と語源
パラリンピックという名前の意味と語源はどこからきたのでしょうか。
パラリンピックの言葉が意味するのは、身体に障害のある人達が選手として参加する世界最高の総合競技大会ということです。
身体に障害のある人達といっても聴覚障害者は対象とはなりません。
聴覚障害者は、身体障害者のオリンピック「パラリンピック」に対し「デフリンピック(Deaflympics)」という、ろう者のための国際的なスポーツ大会が開催されています。
パラリンピックは身体障害者のほかに脳性麻痺、視覚・知的障害者も対象となります。
語源は、paraplegia(パラプレジア:下半身のみの運動麻痺)とolimipic (オリンピック) が合体して名付けた造語だと言われています。
オリンピックに似た言葉なのでオリンピックとパラが合体したものじゃないかと思っていた方は正解です!
またpara(パラ)には、「~の近くに、~に似る、もう一つの」などの意味があることから、もう一つのオリンピックという意味もあります。
パラリンピックの歴史を簡単に振り返る
パラリンピックの歴史を簡単に振り返ると障害者によるスポーツ競技は、20世紀初め頃から各地で行われていたという記録はあります。
しかし、はっきり競技と言えるものかははっきりせず、言い伝えのようなものもあります。
現在のパラリンピックの起源と認められる大会は、第二次世界大戦後の1948年に開催されています。
それはロンドンオリンピックの開会式と同じ日に、イギリスのマンデビル病院内で行われた、「ストーク・マンデビル競技大会」なのです。
病院内で行った大会で、戦争で負傷して帰国した兵士達のリハビリーの一環として、男子14名、女子2名合計16名の車椅子患者による、アーチェリー大会でした。
下半身は不自由でも、上半身でアーチェリーはできたのです。
手術よりも負傷したけれど動かせる上半身を活かすリハビリによって、回復を目指すという目的があったのですね。
その後も毎年続けて行われたこの大会には、1952年に初めてオランダが参加し、1960年にはベルギー、イタリア、イギリス、オランダ、フランスの5ヵ国による「国際ストーク・マンデビル大会」になりました。
少しずつ参加国が増えてきます。
そしてこの年には、オリンピックがローマで開催されましたが、それに合わせるように同じローマにおいて第9回国際ストーク・マンデビル大会も行われたのです。
現在と同じようにローマではオリンピックと同年・同場所で行われたので、そののちにパラリンピック第1回の起源、はじまりと呼ばれても違和感はないということですね。
そして4年に1回行うパラリンピックは、あらゆる身体に障害をもつ選手達の競技大会としてどんどん成長していきます。
毎年行っている国際ストーク・マンデビル大会の方は、車椅子のアスリートのための総合競技大会として、今では「IWAS世界競技大会」になっています。
パラリンピックの歴史を子供向けに説明すると
パラリンピックの歴史を子供向けにもわかりやすく説明してきましたが、簡単にまとめると下のような時系列になるので参考にしてくださいね。
- 1948年・・・イギリスのストーク・マンデビル病院の障害者によるアーチェリー大会が起源。
- 1960年・・・ロンドンオリンピックと同時に行った国際ストーク・マンデビル競技大会が、第1回パラリンピックとなりました。
- 1976年・・・冬季大会もオリンピックと同じ都市で開催されることになりました。
- 1988年・・・ソウル大会から、パラリンピックが正式名称になりました。
- 1989年・・・IPC(国際パラリンピック委員会)がドイツに設立され、継続的に運営されるようになりました。
- 2000年・・・シドニーオリンピックの時に、IOC(国際オリンピック委員会)とIPCが協定を結び、同時開催が義務化になりました。
パラリンピックのマークもオリンピックと違いますよね、そのマークの意味ついてはこちらをご覧くださいね。
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まとめ
パラリンピックの意味や語源を説明しました。
パラリンピックの歴史は簡単に覚えることができますよね。
パラリンピックは負傷した兵士たちが病院でリハビリと娯楽としての歴史があることを子供向けにも説明しました。
始めは病院での小さな競技大会から始まったのが、やがて、オリンピックと並ぶ世界的な総合競技大会になったということです。
2020年の8月に東京オリンピックが閉会したあとに、同じ8月にパラリンピックが始まる予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため1年間延期が決定してしまいました。
2021年8月いままさに東京2020パラリンピック競技大会が開催されましたので車椅子でもこんなに戦えるというのをリスペクトしながら応援したいと思います。
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