当サイト内に広告を含む場合があります。

車椅子用のエレベーターの寸法と鏡をつける基準とユニバーサルデザイン

エレベーター 車椅子のサポート

車椅子マーク(国際シンボルマーク)が付いたエレベーターと車椅子マークがついていないエレベーターがありますよね。

車椅子用のエレベーターの基準となる寸法があるのを知っていますか?

さらにはエレベーターに大きな鏡が正面にあったり上部の角にカーブミラーのような鏡があったりします。

平成18年(2006年)以降の建築物にはバリアフリー法が施工されたので安全で快適なエレベーターが増えていますよね。

そのエレベーターの寸法や鏡の基準、本当の使い方を紹介します。

スポンサーリンク

車椅子用エレベーターの寸法とユニバーサルデザイン

車椅子用エレベーターの寸法はユニバーサルデザインのバリアフリー法に欠かせないものです。

日本では、以前から高齢者や身体障害者等の自立と積極的な社会参加、また建築物のバリアフリー化を進めていいます。

平成18年には「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)」を施行し、全ての人が暮らしやすい社会の実現を目指してきました。

そしてバリアフリー法に基づいた、建築物移動等円滑化経路(エレベーターの場合)の主な寸法の一部は次のとおりです。

詳細については、国土交通省令第114号を参考としてください。

ちなみに、エレベーターなど人が乗るための箱状の構造物を「かご(籠)」(英語ではcar)と呼びます。

  • かご出入口・・・80㎝以上
  • かごの奥行・・・135㎝以上(※)
  • かご幅・・・140㎝以上(※)
  • かご鏡・・・必要(※)
  • 乗降ロビー幅・・・150㎝以上
  • 乗降ロビー奥行・・・150㎝以上
(※)は、 二方向出入口対応などで車いす使用者が円滑に乗降できるもの(開閉する出入口を音声により知らせる機能付きに限る)については、この限りではない。

ユニバーサルデザインとしての例

  • 複数のエレベーターがある場合、押すと最も近いエレベーターが割り当てられ、待ち時間が短縮となる。
  • 押しボタンが低い位置にあり、子供や車椅子使用者も押しやすい。
  • エレベーター階数ボタンの凸文字や点字、音声による案内等。
  • 手すりや鏡の設置。
  • 車椅子使用者用操作盤の設置など。

ちなみに、かご側のドアをかご戸というのだそうです。

日本では、ユニバーサルデザイン関係なく、エレベーター室内は乗客の安全を確保するため、必ずドア(かご戸)によって閉ざされています。

車椅子エレベーターに鏡がある意味

エレベーターの中の鏡
車椅子マークのあるエレベーターに乗ると、正面の壁に鏡があるのに気づくことがありますよね。

たまに、鏡がないエレベーターもありませんか?

普段気に留めていなくても、鏡があればエレベーターの鏡で身だしなみのチェックや、女性ならお化粧を確認する人もいますよね。

でもエレベーターに鏡がついている本当の理由は、車椅子で前向きのまま乗り込んだ時、エレベーターから降りる(後ろ向きのまま降りる)ときバックをしなくてはいけないのです。

エレベーターのかごの中で方向転換できないほど、人が乗っているときは後方に人がいるかどうか確認できないので、その車椅子で前向きに乗ったままでも後方確認ができるように付いているのです。

車椅子だと回転できない場合、後方を確認するのが振り返れないためとても難しいのです。

そのため、後ろに乗ってくる人がいるのか、扉を開けておくタイミングを鏡を見て判断したり、ドア(かご戸)が開いたときに出るフロアーに待っている人が居ないかも確認できるのです。

そして、正面の壁が素通しで外の景色が見えるタイプや狭いエレベーターでは、上部の方に斜めに鏡が(カーブミラーのように)付いているので後方を確認します。

スポンサーリンク

エレベーターの鏡をつける基準

エレベーターには鏡をつける基準があります。

このバリアフリー法に基づき、各地方公共は国の施策に準じて、必要な措置をすることが決められています。

例えば札幌市の場合、「福祉のまちづくり条例施行規則別表2」整備基準の中で示されています。

オ 当該利用円滑化経路を構成するエレベーター及び乗降ロビーは、次に掲げるものであること。

(ア) 床面積の合計が2,000平方メートル以上の建築物(別表1 1の項第1号及び第9号に掲げる施設を除く。)に設けるものにあっては、次に掲げるものであること。

a かごの床面積は、1.83平方メートル以上とすること。

b かごは、車いすの転回に支障がない構造とすること。

c かごは、利用居室、住戸等、車いす使用者用便房又は車いす使用者用駐車施設がある階及び地上階に停止すること。

d かご及び昇降路の出入口の幅は、内のりを80センチメートル以上とすること。

e かごの奥行きは、内のりを135センチメートル以上とすること。

f 乗降ロビーは高低差がないものとし、その幅及び奥行きは内のりを150センチメートル以上とすること。

g かご内及び乗降ロビーには、車いす使用者が利用しやすい位置に制御装置を設けること。

h かご内には、かごが停止する予定の階及びかごの現在位置を表示する装置を設けること。

i 乗降ロビーには、到着するかごの昇降方向を表示する装置を設けること。

j かご内には、両側に手すりを設けること。

k かご内には、かご及び昇降路の出入口の戸の開閉状況を確認することができる鏡を設けること。ただし、かごの出入口が複数あるエレベーターであって、車いす使用者が円滑に乗降できる構造のもの(開閉するかごの出入口を音声により知らせる設備が設けられているものに限る。)については、この限りでない。

l 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用するエレベーター及び乗降ロビーにあっては、aからkまでに定めるもののほか、次に掲げるものであること。ただし、主として自動車の駐車の用に供する施設に設けるものにあっては、この限りでない。

(a) かご内には、かごが到着する階並びにかご及び昇降路の出入口の戸の閉鎖を音声により知らせる装置を設けること。

(b) かご内及び乗降ロビーに設ける制御装置(車いす使用者が利用しやすい位置及びその他の位置に制御装置を設ける場合にあっては、当該その他の位置に設けるものに限る。)は、点字により表示する等視覚障害者が容易に操作することができる構造とすること。

(c) かご内又は乗降ロビーには、到着するかごの昇降方向を音声により知らせる装置を設けること。

(d) 乗降ロビーには、(b)に定める構造の制御装置の位置を知らせる視覚障害者誘導用ブロックを敷設すること。

参照元「福祉のまちづくり条例施行規則別表2」 1-7(2)-オ(ア)から抜粋

まとめ

車椅子マークのあるエレベーターの寸法はバリアフリー法で決められています。

車椅子マークのあるエレベーターにしか鏡がついていない理由も理解出来ますよね。

会社などで日常的に使用しているエレベーターを良く見てください。

さりげなくバリアフリーの基準にもとづいた設備が設置されています。

健常者なら使用しないような設備も、エレベーターの鏡の基準をとってみても高齢者や身体障害者には必要な設備なのですね。

そのような方を見かけたら、行動に配慮してくれると嬉しいです。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました