車椅子のフットレスト関連の事故が非常に多くなっています。
医療や介護の現場では、高齢者や障害者の方が日常的に車椅子を使用しているのを目にしますよね。
その車椅子を使用しているなかで、ベッドや車椅子などに移乗させるときに、意外にも簡単に事故が起きているのです。
原因の多くは、車椅子のフットレストの上げ忘れという結果がでていますが、フットレストというのはいわゆる足置き台です。
どのような時に起こりやすいか、車椅子のフットレストでどうして事故が発生して怪我をしたのかなどを解説します。
事故事例もご紹介しますので、介助の際には参考にしてくださいね。
車椅子のフットレストの事故は立ち上がり時が多い
車椅子のフットレスト絡みの事故が意外と移乗時に多くみられます。
フットレストとは、車椅子の前面下側にある足の置き場で、必要に応じて取り外したり角度を変えたりすることができます。
一般的に車椅子への乗車前後はフットレストをはね上げたり押し上げたり、開いたりとさまざまに可動するタイプのものが多く、移動中・移乗中の妨げにならない工夫がされています。
車椅子へ乗車中のときはフットレストを下ろしてそのうえに足を乗せて車椅子を移動させます。
車椅子からベッドやトイレ、車など車椅子以外の場所に移乗するときには、使用者が立ち上がることになるので、車椅子から立ち上がる前にフットレストを上げて足を下ろす準備をします。
車椅子のフットレスト自体は、硬くて角があり、位置は介助者も使用者も見づらい足元にあります。
そのため、移乗するため立ち上がった時に、介助者は利用者の身体を支えますが、その時にフットレストの向きや位置によって使用者がバランスを崩すことや、フットレストに利用者本人や介助者も足を引っかけて怪我を負ってしまうことが多いのです。
車椅子のフットレストの上げ忘れによる移乗介助
車椅子を使用するときには、フットレストの上げ忘れによる利用者や介助者が注意をしなければならない操作があります。
これらは車椅子使用者が自分で操作できるなら、自分で操作しますが、出来ない場合は介助者に頼んで操作してもらうことになります。
①駐車ブレーキをかける・・・車椅子を止めるときには、必ず駐車ブレーキをかけて車椅子を固定します。
固定しないと立ち上がった時に、車椅子が後ろへ移動し転倒する恐れがあります。
②フットレストの操作・・・乗車中は足をフットレストに乗せ、止まって立ち上がるときは、フットレストを上に跳ね上げてから足を下ろして立ちます。
このフットレストを上げ忘れて、踏んだままで立ち上がるとバランスを崩しひっくり返ってしまいます。
介助者による移乗介助においては、フットレストの安全確認は最重要なものです。
車椅子のフットレストで怪我する事例
車椅子のフットレストで怪我や事故に繋がるヒヤリハット例は以下の通りです。
事例1
内容
車椅子に移乗するとき、介助者が3人で患者を支えていたが、突然患者が「痛い」と言ったので足元を見ると、左膝がフットレストに当たって出血していた。
原因
介助者3人は、それぞれ支えていた身体の部分に集中していたので、フットレストの状態が安全な状態か確認していなかった。
改善策
複数名で介助する際は、事前に役割分担を決め、安全確認担当決めておく。
事例2
内容
車椅子から移乗する際に、一人で介助したところ、フットレストを上げ忘れていた。車椅子使用者が立ち上がった時に、フットレストをそのまま踏んだため、車椅子のバランスが転倒して怪我をした。
原因
複数の介助者で行うべき移乗の介助を一人で行い、フットレストを上げ忘れていた。
改善策
複数の介助者で介助を行う。必ずフットレスの安全を確かめる。
まとめ
車椅子のフットレストによる事故は多くがフットレストの上げ忘れが原因だと分かっています。
車椅子ではフットレストの上げ忘れが盲点となり怪我に繋がります。
車椅子のフットレストでの事故がどうして起きたのかをしっかり理解して、今後の事故発生予防を行い、安全面をしっかり確認して事故で怪我をしないように介助に取り組んでくださいね。
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