福祉車両の購入を考えたとき、「補助金はいくらもらえるの?」と疑問に思ったことはありませんか?
でも――
・実際いくらもらえるの?
・手続きはどんな流れ?
・先にもらえるの?後から?
・新車と中古で違いはある?
私自身、2005年に新車ポルテ、2022年に中古スペイドで「障がい者等介護用自動車改造費補助金」を利用しました。
実際に受けた補助金額は、
ポルテのときは600,000円。
スペイドのときは154,000円。
この記事では、申請から振込までのリアルな流れ、かかった日数、注意点まで、体験ベースで詳しく解説します。
福祉車両の購入を検討している方の不安が、ひとつでも減れば嬉しいです。
ポルテ購入時に利用した助成制度とは?
私は半オーダーメイドの自走式車椅子(補装具費支給制度で作成)を使用していましたが、作成から半年足らずで自走が困難になりました。
室内では頭部まで支えられるハイバックの介助用車椅子が必要となりましたが、当時は「1人1台」までの支給となっており再申請はできませんでした。
やむなく介助用車椅子を実費購入。
外出時は家族の車に車椅子を積み込み、抱えて移乗する生活となり、次第に外出を控えるようになりました。

初めての補装具申請で購入した自走式車椅子オーエックス(OX)
そんな中、姉が見つけてくれたのが「電動車椅子が搭載されているポルテ」でした。
家族がトヨタ車に乗っていたこともあり、自宅近くのトヨタディーラーへ相談。担当者が姉の知人だったこともあり、踏み込んだ相談ができました。
実際に県内のウェルキャブ取扱店で試乗し、家族の運転で公道を約30分走行。さらに店舗内で電動車椅子の試運転も行いました。
「これなら家族を困らせない。移乗が1回で完結できる。」そう確信しました。
しかし、福祉車両は高額です。その不安を軽減してくれたのが【障がい者等介護用自動車改造費補助金】でした。
障がい者等介護用自動車改造費補助金の概要
※重要:この制度は「後払い方式」です。いったん車両代金を全額支払い、納車後に実績報告を行ったうえで、補助金が指定口座へ振り込まれます。
- 対象:障害者本人または家族が使用する福祉車両
- 申請条件:自治体に一定期間居住、市税滞納なし等
- 対象内容:電動リフト・スロープ等の改造部分の費用
- 上限額:最大100万円(自治体規定による)
- 補助率:世帯所得により2/3・1/2・2/5
- 注意:必ず購入・契約前に申請が必要
実際の申請の流れ(ポルテ・2005年)
補助金は「先にもらえるお金」ではありません。
車両代金は一度全額支払い、その後、実績報告書を提出してから補助金が振り込まれる流れになります。
2005年にポルテ助手席電動車椅子仕様を新車で購入した際の流れをまとめます。

ポルテ福祉車両の新車注文書(個人情報は加工済み)
① 売買契約(2005年10月11日)
トヨタディーラーにて新車注文書を作成し、売買契約を締結しました。
※補助金申請には正式な見積書が必要となるため、先に契約を結ぶ流れになります。
注文書上では、メーカーオプションの自操式電動部分(電動車椅子機能)の金額は【575,300円】と記載されていました。
しかし、補助対象額は単純にその金額ではありません。助手席の電動昇降装置や巻き取り装置など、福祉仕様に伴う改造部分を含めた「通常車両との差額」で算出されます。
② 補助金申請(2005年10月25日)
市へ「障がい者等介護用自動車改造費補助金交付申請書」を提出しました。
添付書類
- 見積書
- 改造見積書
- 車両カタログ(新車のため)
申請書は私が記入し、添付書類はディーラーが準備。営業担当者が市役所窓口へ提出してくれました。
③ 決定通知(2005年10月28日)
申請から3日で決定通知が郵送されました。
決定内容
- 介護対象者:本人
- 申請額:2,515,300円
- 補助対象額:900,300円
- 補助率:2/3
- 補助金決定額:600,000円
※1,000円未満切り捨てで【600,000円】の補助金が支給されました。
最短3日で決定された理由は、書類が万全だったこと、そして市役所内部の所得確認や滞納確認に通常2営業日を要するためです。土日祝を除けば、最短で3日程度が目安となります。
※正式な通知書が届く前でも、電話で決定可否の確認は可能でした。
④ 登録・納車(2006年1月10日)
決定後、車両登録手続きを行い納車となりました。
⑤ 実績報告
納車後、「障がい者等介護用自動車改造実績報告書」を提出しました。
添付書類
- 車検証の写し
- 改造完了を証する書類および写真
- 振込先口座を記載した請求書
⑥ 補助金振込
実績報告提出後、約1か月前後で指定口座へ補助金が振り込まれました。
※自治体の繁忙期や年度末は時間がかかる場合があります。
実際の申請の流れ(スペイド・2022年)
ここでは、2022年に中古のスペイドを購入した際の実際の流れを時系列でまとめます。
① 入庫連絡(2022年11月25日)
福祉車両専門の中古販売店から、以前販売されていたスペイドの入庫予定があると連絡を受けました。
② 概算見積(2022年11月26日)
販売サイト掲載時の画像と概算見積書を受け取りました。この時点ではまだ店舗には入庫しておらず、11月29日に入庫予定とのことでした。
③ 契約(2022年12月1日)
実車確認のため店舗へ。金額や状態の妥当性を確認するため、以前から信頼しているトヨタの営業担当者にも同行してもらいました。
内容を確認後、注文書を持ち帰り自宅で記入捺印しその日のうちに中古車販売店の担当者に写真を撮り画像をLINEで送信し売買契約を締結しました。(後日原本は取りに来てくれました。)

福祉車両中古車店の実際のトヨタ・スペイド注文書(個人情報加工済み)
※重要
補助金申請は「登録・納車前」であれば可能ですが、見積書を正式に発行するには売買契約が前提となります。そのため、契約→申請→決定→登録→納車という順番になります。
④ 補助金申請(2022年12月6日)
市へ「障がい者等介護用自動車改造費補助金交付申請書」を提出しました。
添付書類
- 見積書(中古車販売店作成)
- 改造見積書
⑤ 助成金の認可確認(2022年12月23日頃)
中古車販売店が福祉課へ電話確認し、認可されたことが分かりました。私自身も電話で確認しました。
中古車の場合は、新車と異なり耐用年数や同等車両との比較が必要なため、審査にやや時間がかかる傾向があります。
⑥ 決定通知(2023年1月6日)
正式な決定通知書が届きました。

障害者等介護用自動車改造費補助金交付決定通知書(個人情報加工済み)
決定内容
- 介護対象者:本人
- 申請額:1,830,000円
- 補助対象額:232,070円
- 補助率:2/3
- 補助金決定額:154,000円
⑦ 登録手続きと車庫証明
決定後、自動車登録手続きを進めます。その際、車庫証明の取得が必要となるため並行して手続きを行います。
※車庫証明の流れは別記事で詳しく解説予定です。
⑧ 納車と実績報告(2023年3月31日)
納車後、決定通知書に同封されていた「障がい者等介護用自動車改造実績報告書」を提出しました。

実績報告書等の書類(個人情報加工済み)
添付書類
- 車検証の写し
- 改造完了を証明する書類および写真(車両前面・側面・スライドドア開放時・電動車椅子離脱時など)
- 振込先口座を記載した請求書
年度末(3月末)だったため、書類受付は4月4日扱いとなり、支払処理は5月1日付となりました。
⑨ 振込(2023年5月10日)
補助金154,000円が指定口座へ振り込まれました。
申請から実際の振込まで約5か月でした。
※ただし、決定通知から振込までは約4か月(納車時期・年度末の影響あり)でした。

障がい者等介護用自動車改造費補助金交付金の振込額154,000円の銀行口座入出金明細
新車と中古で何が違う?(ポルテとスペイド比較)
私は2005年に新車のポルテ、2022年に中古のスペイドで同じ助成制度を利用しました。
どちらも「障がい者等介護用自動車改造費補助金」ですが、実際の流れや金額には違いがありました。
具体的な違いを一覧でまとめます。
| 項目 | ポルテ(新車・2005年) | スペイド(中古・2022年) |
|---|---|---|
| 契約 | 注文書締結後に申請 | 注文書締結後に申請 |
| 申請から決定まで | 約3日(最短) | 約17日(中古車比較審査あり) |
| 補助対象額 | 900,300円 | 232,070円 |
| 補助率 | 2/3 | 2/3 |
| 補助金額 | 600,000円 | 154,000円 |
| 審査内容の違い | 通常車両との差額算出 | 耐用年数・同等車両との比較あり |
※補助対象額は、福祉仕様に伴う改造部分の「通常車両との差額」で算出されます。
大きな違いは「補助対象額の算出方法」と「審査期間」です。
新車は通常車両との差額が明確なため比較的スムーズでした。
一方、中古車は耐用年数や同等車両との比較が必要となり、審査に時間がかかる傾向があります。
申請で失敗しないための注意点
ここは本当に大切なポイントです。
① 売買契約は先にしてもよい
注文書の締結(売買契約)は先に行って問題ありません。
見積書や改造見積書を正式に作成するには契約が前提となるためです。
② 登録・納車は必ず「決定通知後」
自動車登録や納車は、必ず決定通知を受けてから行います。
登録済み・納車済みの場合は補助対象外となる可能性があります。
③ 申請は窓口提出がおすすめ
申請は郵送でも可能ですが、窓口提出をおすすめします。
新車の場合はカタログ、中古車の場合は車両写真データが必要になります。これらは販売店が準備してくれますが、申請書の記入部分に不備があった場合、窓口であればその場で修正できます。
郵送の場合は差し戻しとなり、再送の手間や時間がかかり、決定が遅れる可能性があります。
④ 年度末は処理が遅れることがある
3月は行政の繁忙期です。
実績報告が年度末と重なると、振込まで時間がかかる場合があります。
⑤ 中古車は審査に時間がかかる
中古車は耐用年数や同等車両との比較審査が行われるため、新車より時間がかかる傾向があります。
焦らず決定通知を待つことが大切です。
⑥ 自治体ごとに必要書類が異なる
私の市町村では、申請時に必要だったのは「申請書」と「見積書2部」でした。
しかし中古車販売店の担当者からは、「自治体によっては障害者手帳の原本などが必要な場合もあるため、販売店が代理で申請に行くことはできない」と説明を受けました。
重要書類を預かることができないためです。
2005年の新車購入時はディーラーが窓口提出してくれましたが、2022年の中古車では自分で申請しました。
必ず事前に自治体へ必要書類を確認しておくことをおすすめします。
この制度があったから、私は移動を諦めずに済んだ
電動車椅子を搭載した福祉車両は、決して安い買い物ではありません。
けれど私にとって、それはぜいたく品ではなく、生活を成り立たせるための必需品でした。
ポルテのときは600,000円。
スペイドのときは154,000円。
この制度がなければ、私は車を持てなかったかもしれません。
移動は、単なる手段ではありません。
通院。
買い物。
家族との時間。
社会とのつながり。
移動があるからこそ、家の外の世界と関わることができます。
もし今、福祉車両の購入を迷っている方がいるなら、まずはお住まいの自治体に相談してみてください。
制度は少し複雑ですが、正しく進めれば大きな支えになります。
この体験が、誰かの不安をひとつ減らすきっかけになれば嬉しいです。
申請を検討している方へ
福祉車両は高額ですが、助成制度によって現実的な選択肢になることがあります。
福祉車両の補助金は、「いくらもらえるか」だけでなく「お金の流れを理解しておくこと」がとても重要です。
- まずは自治体の福祉課へ相談
- 見積書段階で対象額を確認
- 登録・納車前に必ず申請
制度は自分から動かなければ利用できません。
あなたの地域にも活用できる制度があるかもしれません。
まずは問い合わせてみてください。

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