18歳以上の車椅子・電動車椅子の補装具費支給申請は、
更生相談所の判定が必要になるため、
18歳未満(子ども)の申請とは流れが大きく異なります。
この記事では、
更生相談所の判定から支給決定・納品までの流れを、
実体験も交えながら解説します。
「どんな手順で進むの?」「判定では何をするの?」
「支給までどのくらい時間がかかるの?」
と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
まず前提として、
車椅子・電動車椅子の補装具費支給制度は、
身体障害者手帳を所持している方が対象です。
また、65歳以上の方は原則として介護保険制度が優先されます。
そのため、申請前に市町村へ確認しておくことが大切です。
18歳未満(子ども)の申請方法については、
▶ 18歳未満の補装具費支給申請の流れはこちら
をご覧ください。
まずは市町村へ「補装具費支給申請書」を提出
車椅子などの補装具を申請したい場合は、
身体障害者手帳の住所地の市町村福祉課へ相談します。
出向けない場合は、福祉課へ電話で相談すると「補装具費支給申請書」を郵送してくれます。

補装具支給申請書の一例
申請方法
- 窓口持参(最も確実)
- 郵送
- FAX
郵送・FAX・E-mailの場合は、
事前に担当者へ電話連絡をしておくとスムーズです。
業者名はどうする?
申請書には、
車椅子を扱う指定補装具業者名を記入します。
福祉課は民間業者を斡旋できないため、
「ご自身で探してください」
という案内が一般的です。
そのため、事前に業者を決めておく必要があります。
市町村による聞き取り・判定可否の確認
申請書が受理されると、市町村から電話で、車椅子の使用目的などについて聞き取りが行われます。
- なぜ車椅子が必要なのか
- 日常生活でどのように使用するのか
- 電動車椅子の場合は安全に使用できそうか
支給決定権は市町村にあります。
18歳以上の補装具申請では、更生相談所での判定が必須になります。
その内容をもとに、
県の更生相談所へ「判定可能かどうか」の事前確認が行われます。
OKが出れば、判定日の予約へ進みます。
支給基準の目安
障害の状態や生活状況により総合的に判断されますが、
車椅子支給の一般的な目安は以下の通りです。
- 年齢:原則18歳以上(自治体判断)
- 電動車椅子:原則 両上肢2級かつ下肢2級
- 自走式車椅子:下肢・体幹3級以上
なお、難病など例外的に支給対象となるケースもあります。
詳細は市町村へ確認してください。
更生相談所とは、
補装具が身体状況や生活環境に適しているかを判定する専門機関です。
更生相談所の判定日を予約
判定日は自治体ごとに決まっている場合が多いです。
- 例:毎月 第1・第2・第3〇曜日
- 電動車椅子は基本「1日1名」など
※地域により異なります。
更生相談所での判定
18歳以上の車椅子補装具費支給申請は、更生相談所での判定が必要になります。

※自治体により流れが異なる場合があります。
持ち物
- 身体障害者手帳
- 現在使用中の車椅子(初回は自治体の無料レンタルなどでも可)
判定内容
- 更生相談所相談員による聞き取り
- 指定医の診察
- 操作可能かどうかの確認
姿勢保持装置を付ける場合は、
身体障害者手帳に体幹機能障害の記載が必要です。
判定は「試験」のように感じる人もいる
初めて電動車椅子を操作する場合、
「うまく運転できなかったらどうしよう」
と不安になる方も少なくありません。
実際の判定では、
安全に操作できるか、生活の中で使用できるか、
身体に適合しているかなどを総合的に確認されます。
そのため、
「試験を受けているようで緊張した」
と感じる方もいます。
実際に試乗して分かることも多い
電動車椅子は、
カタログだけでは分からない部分も多くあります。
- 思ったより車体が長い
- 小回り感覚が違う
- ジョイスティック操作が緊張する
- 少し動かしただけでも怖く感じる

最初は距離感やスピード感がつかみにくく、「ぶつけそう」と怖く感じました。
ただ、距離感やスピード感は、
実際に使っていくうちに少しずつ慣れてくることも多いです。
実際に試乗してみることで、
身体に合っているか、
生活の中で使いやすいかを確認しやすくなります。
処方箋が出れば確定?
ここが重要です。
指定医師が処方箋を書いても、
更生相談所の審議で保留・不支給になる可能性があります。
ただし、判定日に同席している業者が
その場で処方内容に署名できた場合は、
実質的に支給が確定するケースが多いです。
更生相談所の判定費用について
18歳以上の場合、補装具判定は更生相談所で行われます。
判定時の処方箋に関する費用は、原則として無料です。
(自治体により異なる場合があります)
採寸・見積もり
処方箋が正式に業者へ渡った後、採寸を行います。
- 必要な部品を選定
- 見積書を作成
- 処方箋と見積書を業者が市町村へ提出
採寸では、
座面幅・座面奥行き・背もたれの高さなど、
身体に合わせた細かな調整を行います。
支給決定通知が届く
市町村から申請者へ届くもの:
- 支給決定通知書(支給基準額・自己負担額記載)
- 支給券
- 業者へ連絡するよう案内文
支給決定通知が届くまでは、車椅子の発注はできません。
制度改正により、判定後すぐの発注はできません。
そのため納期が延びる傾向があります。
納期の目安(実体験ベース)
特に電動車椅子は、
部品供給や制度改正の影響を受けやすく、
納期が長期化するケースもあります。
- 自走式車椅子:2〜3ヶ月
- 簡易電動:半年〜7ヶ月
- 電動車椅子:最長1年半
※地域・メーカー・時期によって大きく変動します。
電動車椅子は置き場所や充電スペースも重要
電動車椅子は、
支給が決まってから「思ったより大きい」と感じる方も少なくありません。
特にティルト・リクライニング機能付きの車椅子は、
後方下部の構造が大きくなるため、
想像以上に全長が長く感じることがあります。
ティルトとリクライニングは、
見た目が似ていても動き方や身体への負担が異なります。
実際には、
「屋外では電動車椅子を使用し、
室内ではコンパクトな介助用車椅子を使う」
という使い分けをしているケースも少なくありません。
また、ベッドへは抱っこや介助で移乗し、
電動車椅子は玄関付近や屋外に置くケースもあります。
- どこに置くのか
- 充電場所を確保できるか
- コンセントまで届くか
- 雨に濡れない場所があるか
こうした生活動線は、
実際に使い始めてから気づくことも多いため、
試乗時や業者との相談時にイメージしておくと安心です。
電動車椅子には、
移動負担を減らせるメリットがある一方で、
置き場所や充電スペースなど、
実際に使い始めて分かる注意点もあります。
自己負担について
車椅子や電動車椅子には、
それぞれ基準額が設定されています。
- 非課税世帯:基準内なら自己負担なし
- 一般所得:原則1割負担
- 負担上限額:37,200円
各部品にも基準額が設定されているため
差額が発生する場合は、採寸時の見積もりで業者から説明があります。
なぜ採寸を先にしないの?
車椅子や電動車椅子は、
身体に合わせて部品調整や制作を行うため、
採寸後すぐに発注へ進むわけではありません。
補装具費は利用者へ直接支払われるのではなく、
自治体から業者へ支払われる仕組みになっています。
そのため、
支給決定前に制作を進めてしまうと、
長期入院や体調変化などで
申請内容が変更になる場合、
業者側が費用を回収できなくなる可能性があります。
こうした理由から、
業者も支給決定通知が届くまで正式発注できません。
なお、支給決定後であれば、
制作途中で変更が発生した場合でも、
制作にかかった費用の一部が自治体から支払われる仕組みがあります。
納品と支払い
車椅子や電動車椅子は、
納品時に自己負担額がある場合のみ支払いが発生します。
自己負担分は利用者から業者へ直接支払いを行い、
公費分(補助金部分)は自治体から業者へ支払われる仕組みです。
最終的な自己負担額は、
支給決定通知書に記載された金額が基準となります。
納品時には、
サイズ調整や使用方法の最終確認も行われるため、
実際の生活で問題なく使えるかどうかの最終チェックも行われます。
自己負担額の仕組みや、0円になる条件について詳しく知りたい方は、
▶ 車椅子購入の自己負担はいくら?補助金の上限と0円になる条件
をご覧ください。
まとめ
18歳〜64歳の車椅子・電動車椅子の補装具費支給申請は、
- 市町村へ申請
- 更生相談所で判定
- 処方箋発行
- 採寸・見積もり
- 支給決定通知
- 発注・納品
という流れで進みます。
制度は複雑に見えますが、まずは住所地の市町村福祉課へ相談することが第一歩になります。
補装具費支給制度全体について知りたい方は、
以下の記事も参考にしてください。


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