車椅子を利用しているときにバリアフリーではなく階段などで段差がある場合、段差を降りる時の押し方や上がり方には絶対守って欲しい注意点があります。
車椅子で段差のがあるところを介助者が押す場合、段差の降り方、上り方を正しく行わないと、車椅子のバランスが崩れて乗っている人が危険な目にあってしまいます。
車椅子の介助方法で、段差を降りるときの押し方と上がるときの上がり方の基本的な注意点とポイントについて解説します。
車椅子の段差を降りるときの介助方法
車椅子で段差を降りるときに注意しなければいけない介助方法は車椅子を押す向きと進む向きです。
車椅子が前向きのまま段差を降りると、前のめりになって乗っている人が落ちる恐れがありますし、落ちないにしても車椅子に乗っている人が前かがみになるので恐怖を感じます。
そのため、降りるときの正しい介助方法は、後ろ向きになることから始めます。
- 車椅子を後ろ向きにして、降りる前に一声かけます。
- グリップ(持ち手)を持ち上げ、後輪の大きなタイヤを前輪のキャスターと並行にしながら静かに後輪をおろします。
- ティッピングレバーを踏んでキャスター(前輪)を浮かしながら、少しずつ後ろへ下がります。
- キャスターを静かに下ろします。車椅子の向きを前向きにします。
段差を降りているときに、車椅子に乗っている人には介助者のいる背もたれにもたれかかってもらう状態ですので介助者に身体を預けられるので安心して段差を越えることができます。
あわせて、介助者も安全に走行ができますが、後方の確認を忘れずにお願いします。
車椅子の押し方と段差昇降前の安全確認
車椅子の安全確認
車椅子の押し方として段差の昇降時の介助だけではなく注意しなければならないのは、安全に気を付けて、事故が起こらないようにすることです。
そのためには、普段から車椅子の点検を行いましょう。
また、車椅子の押し方や車椅子で段差昇降時には、次の注意点があります。
車椅子の押し方と段差昇降時の注意点
常に声をかけ、周囲に目を配り安全を確認します。
介助している人の視線のずっとしたに車椅子に座っている人がいます高さが全然違いますので、その高さの障害物などにも気をつけて。
車椅子に乗っている人は、介助者よりも視線が低いので歩いている人以上にスピードを感じます。
また、車椅子は座面の下のタイヤや車輪からの振動も直に衝撃となりますので、平坦な道でも芝生や砂利などに足元に気を配り衝撃が少なく感じるように気を付けて。
車椅子にとって傾きや傾斜は恐怖でしかありません。
特に体幹機能が弱い人(身体のバランスがとりづらい人)などは、少しの傾きが、たとえると「崖の上からチョット押されてバランスを崩しそうになる感覚」です。
こまめに「大丈夫ですよ」など、声をかけるのも大切です。
事前に段差がある場所を通ることが分かっている場合に介助する人は、動きやすい服装、ヒールなどは避ける、スカートではなくズボン、アクセサリーは外しておく、車椅子にクッションを入れるなどを心掛けましょう。
車椅子で段差の上がり方とポイント
車椅子で段差を上がるときの上がり方は前向きで、次の3つのポイントに基づいて行います。
- 段差の上に上がる事を車椅子に乗っている人に声をかけ、グリップを押し下げ、ティッピングバーを片足で踏んで、キャスターを上げます。
- しっかりバランスをとり、キャスターを段差の上に載せます。
- 後輪を持ち上げて、ゆっくりと車椅子を前に押し、後輪も段差の上に静かに載せます。
そのまま介助者がつまずかないように、気を付けて前に進みます。
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まとめ
車椅子で段差を降りるときなど、車椅子に乗っている人は車椅子を押してくれている介助の人が見えないので、かなり不安な気持ちになっています。
車椅子を介助する人は、押し方、段差の降り方、上がり方の注意点やポイントをおさえて、しっかりと車椅子利用者をサポートしてくださいね。
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