車椅子のブレーキには、レバー式、トグル(タッグル)式、ドラム式の大きく分けて3種類があります。
ここでは、それぞれのブレーキの仕組みや利用者への適性について解説します。
レバー式は後輪の前に設置され、力を調整する凹溝があります。
一方、トグル(タッグル)式は前後の動作でブレーキを操作しやすく、幅広い利用者に適しています。
そして、ドラム式は後輪の車軸を締め付けて制動する仕組みで、安定した制動力を持ちます。
さらに、雨の日でも制御力が低下しにくく安全性が高いです。この記事では、それぞれのブレーキの特徴や使い方、利点について詳しく解説します。
トグル式とは?車椅子ブレーキの種類レバー式とは
最近の車椅子は、トグル式ブレーキを採用しているものが多くあります。
トグル式とは、
スイッチ・ボタンなどで、操作するたびに二つの状態が交互に入れ替わるような機構。
参照元:Wikipedia
「ダッフルコートなどに用いられるボタン」の事もトグルというそうなので想像しやすいでしょうか。
呼称にタックル、タッグルとも呼ばれることが多いですが、同じ形式のブレーキです。
トグル式ブレーキは、車椅子のブレーキシステムの中でも特に利用者にとって使いやすさが高く、一般的に選ばれる傾向にあります。
トグル式ブレーキの構造
レバー式と同じく車椅子の後輪近くに設置されますが、レバー式とは異なる仕組みを持っています。
通常、サイドガードに配置されており、利用者の手の届きやすい位置に設けられています。
トグル(タッグル)式ブレーキの使用方法は非常に簡単です。
利用者は、ブレーキをかけるためにレバーを手前に引き、ブレーキを解除するためには逆に押します。
この操作は前後の動作だけで行われ、ブレーキの制御が容易になっています。
特に、手や指の動きに制限のある人や筋力が低下している高齢者にとって、この簡便な操作方法は大変重要です。
トグル式ブレーキの特徴
レバー式よりも力が少なくて済む点が挙げられます。
このため、体力に制限のある利用者でも比較的簡単にブレーキをかけることができます。
さらに、操作がシンプルであるため、初めて車椅子を使用する人やブレーキ操作に慣れていない人でも迅速に理解しやすいという利点があります。
その結果、トグル(タッグル)式ブレーキは現在の車椅子において最も普及しているブレーキ形式です。
多くの車椅子ユーザーがこのタイプのブレーキを選択し、日常生活で広く使用しています。
トグル(タッグル)式ブレーキは、利用者の安全を確保するだけでなく、自立した移動や日常生活の活動性を高める役割を果たしています。
トグル(タッグル)式ブレーキの使いやすさと操作性は、利用者にとって非常に重要で、自分自身の能力とニーズに基づいて、トグル式ブレーキを操作することで、より快適かつ自由な動作ができます。
車椅子ブレーキのレバー式とは異なり、タイヤを固定するためにレバーを凹部にはめ込む必要はありません。
代わりに、レバーを前後に動かすだけでブレーキをかけたり解除したりでします。
また、操作は簡単で、大きな力を入れる必要はありません。
車椅子ブレーキ種類のトグル式とレバー式との違い
レバー式ブレーキは、トグル式ブレーキ同様、後輪の前部分サイドガードに設置される構造を持っています。
利用者はレバーを操作することで後輪のタイヤをしっかりと止めるために付けたロック機能です。
タイヤをロックをさせた状態で乗り降りを行う際や、坂や頂上地での安全な停止を必要とする場合に重要な役割を果たします。
レバーが差し込まれている平板部分には、ブレーキの強さを調整するための凹形の溝が存在します。
利用者はレバーを溝にはめ込んで固定し、後輪のタイヤを押さえつけてブレーキをかけます。ブレーキを解除する際には、溝からレバーを外します。
レバー式ブレーキの特徴は、車のギアチェンジのようにレバーを凹部に差し込むなどの操作に一定の力が必要であることです。
そのため、自力で車椅子を操作できない場合には、介助者がブレーキをかける必要があります。
レバー式ブレーキは、一般的に公共や大型スーパーなどで無料貸出される安価な車椅子に施設が備わっています。
これは、使いやすさやメンテナンスのしやすさ、コストの面で優れているためです。
一方、トグル式ブレーキはレバー式とは異なる構造を持っています。
トグル式ブレーキも後輪の前にサイドガードに設置されますが、操作方法が異なります。
利用者は前後の動作だけでブレーキをかけることができます。具体的には、利用者はレバーを手前に引くことでブレーキをかけ、逆に押すことでブレーキを解除します。
この操作はシンプルで簡便であり、手や指の動きに制限のある人や筋力が低下している高齢者にとっても扱いやすいです。
トグル式ブレーキの特徴として、レバー式よりも力が少なくて済む点が挙げられます。したがって、体力に制限のある利用者でも比較的容易にブレーキをかけることができます。
総括すると、レバー式ブレーキとトグル式ブレーキは、設置場所や操作方法、利用者の体力要件などの面で異なります。
レバー式ブレーキは一定の力が必要で、自力で車椅子を操作できる利用者に適しています。
一方、トグル式ブレーキは操作が簡便で、力が少なくて済むため、手や指の制限がある利用者や筋力が低下している高齢者に適しています。利用者の能力やニーズに基づいて、適切なブレーキシステムを選択することが重要です。
ただ、最近の車椅子のブレーキの仕様ではレバー式は殆ど見ることが無く、トグル式ブレーキになっているように見受けられます。
トグル式ブレーキを採用しながら操作の利便性からトグル式ブレーキのレバー部分の長さ調節をして使用するようになっているようです。
レバーの長さを調節するには、車椅子メーカーのオプションでレバー部分を選ぶことができたり、短い場合はラップの芯のような筒状のものをレバー部分に入れて調節したりしています。
車椅子ブレーキタッグル式とドラム式
車椅子のタッグル(トグル)式は前述したとおり、現在の車椅子で一番多く使われている形のブレーキです。
タイヤの表面を押さえつけ、摩擦の力によって車椅子を制御する方法です。
一方ドラム式ブレーキは、介助者が車椅子を押すときに使うブレーキで、タイヤの表面を押さえつけて止めるのではなく、後輪の車軸に巻き付くように締め付けます。
自転車のドラム式、ブレーキと同じような構造です。
レバー式、タッグル式のブレーキは、雨の日に制動能力が低下し危険ですが、ドラム式は雨の日にも強く制動力もあります。
ドラム式ブレーキの構造と作動原理
ドラム式ブレーキは、車輪の後輪車軸に取り付けられた円筒状のドラムが中心です。
ブレーキシューと呼ばれる摩擦材がドラム内部にあり、ブレーキシューがドラムに押し付けられることで制動力が発生します。
ブレーキシューは介助者が後部ハンドルを操作することで制御されます。
使い方と利点
ドラム式ブレーキは、介助者が後部ハンドルを引いたり押したりすることで制動力を調整します。
利用者自身の体力や手指の制限に左右されずに安全に制動できます。
雨や湿度の高い環境でも制動力が低下しにくく、安定した制動力を保ちます。
急停止が可能であり、安全性に優れています。
メンテナンスの重要性
ドラム式ブレーキは定期的な点検と調整が必要です。
ブレーキシステムの正常な機能を保つために介助者や専門の技術者によるメンテナンスが推奨されます。
適切な点検と調整が行われないと、制動力の低下や異音、異常な挙動が発生する可能性があります。
ドラム式ブレーキは、安定した制動力と利用者の安全性を重視する場合に選ばれるブレーキシステムです。
適切な使い方とメンテナンスにより、快適で安全な車椅子利用が可能となります。
まとめ
車椅子のブレーキには、レバー式、トグル(タッグル)式、ドラム式の3種類があり、それぞれに特徴があります。
レバー式はブレーキ力を調整しやすく、自力で坂道走行ができる方に向いています。
トグル(タッグル)式は操作が簡単で力を必要とせず、幅広い利用者が扱えます。
ドラム式は安定した制動力を持ち、雨の日でも安全に利用できますが利用者が制御するのでは無く介護者が後方から行います。
ブレーキの選択は利用者の能力や状況に応じて行いましょう。
車椅子のブレーキを使うことは非常に多いため利用者の自立や生活の質を向上させる重要な要素になります。
適切なブレーキを選ぶことで、車椅子の利用が快適かつ安全になります。専門家のアドバイスを受けながら、利用者自身に最適なブレーキを選ぶことをおすすめします。
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