車椅子のブレーキかけ忘れによる事故が多くなっています。
障害者や高齢者で歩行が困難な場合、移動する手段として車椅子を利用するとき駐車ブレーキのかけ忘れでおこる事故が圧倒的です。
車椅子を利用する人は高齢障害者が多いこともあり、ちょっとした不注意(ヒヤリハット)で転落や骨折事故につながってしまいます。
その車椅子の事故の原因の中で、一番多いブレーキのかけ忘れから起きた事故事例と対策についてご紹介します。
車椅子ブレーキのかけ忘れの原因
車椅子のブレーキのかけ忘れの主な原因には、次のものがあります。
- うっかりかけ忘れる・・・誰にでも、あり得る原因です。一時的にコロっと忘れてしまいます。
- 認知症など・・・認知の機能低下により、ブレーキの存在を忘れることもあります。
- あわてる、そそっかしい・・・性格的に注意散漫など、他の動作が気になって、ブレーキをかけるのを忘れます。
- かけたつもりがかかっていない・・・本人はかけたつもりだが、実際にブレーキがかかっていないこともあります。
- ブレーキの故障・・・かけ忘れとは違いますが、ブレーキが甘いとか壊れているのに気が付かない場合があります。
まさに、ヒヤリハットで、転倒や転落から骨折などの怪我に繋がるので十分注意したいですね。
車椅子ブレーキのかけ忘れの事故事例
車椅子のブレーキをかけ忘れた場合に起きた事故事例の一部をご紹介します。
乗降時のかけ忘れによる転倒
ブレーキをかけ忘れた(ブレーキが解除されている)状態で、乗るときや降りるときに車椅子が動いてしまい、バランスを崩して転倒した。
ハンドレスト(手おき)に手を付け体重をかけたとき、車椅子が自分の前方に動いてしまう。
後ろ向きに座ろうとして太ももの裏が座面に当たったが、その反動で後ろに車椅子が動いて尻もちを着く状態になってしまうなど。
最も多い事故で、骨折することもあります。
立ち上がるときに転倒
車椅子から立ち上がろうとしたときに、頭を下げた途端、お尻で車椅子を押す形になり車椅子が後方へ移動し、バランスを崩して後方へ転倒した。
傾斜のある駐車場で、自動車に衝突
駐車場にゆるい傾斜があるのに関わらず、介助者がブレーキをかけ忘れたために車椅子が動き出し、停めてある自動車に衝突し乗っている人が怪我をした。
認知症の人が転倒
認知症でかけ忘れが多く、立ち上がるときに転倒した。
車椅子ブレーキのかけ忘れ対策
車椅子のブレーキかけ忘れによる事故対策は、重傷になることが多いので、十分に安全点検や操作性の確認が必要です。
車椅子ブレーキレバーを派手にする
簡単にできることは、ブレーキのレバーが視界に入るように色を派手にする。
車椅子のブレーキ操作をしやすくする
ブレーキレバーに延長部品を付けて長くして、テコの原理で操作しやすくする。
車椅子自動ブレーキ
車椅子から立ち上がろうとすると自動的に車椅子のブレーキがかかる装置。
車椅子自体に自動ブレーキが搭載しているものや、一般的な車椅子なら後付けできる車椅子ストッパーなどの自動ブレーキも市販されています。
車椅子ブレーキかけ忘れ防止装置
ブレーキをかけ忘れたまま立ち上がろうとすると、レバーがじゃまな位置にあり、そのレバーを持ち上げるとブレーキがかかり、立ち上がることができる装置です。
まとめ
車椅子のブレーキかけ忘れによる事故が車椅子の事故の中で多くを占めています。
車椅子ブレーキでかけ忘れると事故がどんな原因で繋がるかを説明しました。
車椅子のブレーキかけ忘れ対策として、事故事例も紹介したので介助者も十分に安全確認や点検など車椅子の操作性自体の確認が必要です。
障害者に限らず高齢者の場合も、本人が気づかないことも多いので、周囲の人が常に危険がないか安全を確認する必要があります。
車椅子利用者を見たときは、気に掛けるようにしましょうね。
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