ボッチャの日本代表チームには、「火ノ玉JAPAN」という愛称があります。
東京2020パラリンピックでは、杉村英孝選手がBC2男子個人で金メダルを獲得し、ボッチャという競技を知った人も多いのではないでしょうか。
その後も日本代表は国際大会で戦い続け、現在はロサンゼルス2028パラリンピックも見据えながら強化が進められています。
この記事では、ボッチャ日本代表「火ノ玉JAPAN」と、日本代表候補として活動する主な強化選手をBC1・BC2・BC3・BC4のクラス別に紹介します。
強化指定や国際大会への派遣選手は変更されることがあります。この記事では2026年8月時点で日本ボッチャ協会が公表している情報をもとに紹介しています。
ボッチャ日本代表「火ノ玉JAPAN」とは
ボッチャ日本代表チームの愛称は、「火ノ玉JAPAN」です。
日本ボッチャ協会では、日本代表候補として強化合宿や国際大会などに参加する選手を「強化選手」としています。
そのため、強化選手全員が毎回同じ国際大会へ出場するわけではありません。大会ごとに派遣される選手が選ばれ、日本代表として世界の選手と戦います。
ボッチャにはBC1・BC2・BC3・BC4の4つのクラスがあり、障害が競技動作に及ぼす影響によってクラス分けされます。
個人戦のほか、BC1・BC2によるチーム戦、BC3とBC4ではそれぞれペア戦が行われます。
ボッチャ日本代表候補の主なメンバー
2026年8月時点で、日本ボッチャ協会の日本代表チームページに掲載されている強化選手をクラス別に見てみましょう。
BC1の強化選手
BC1は、四肢や体幹の機能に大きな制限がある選手のクラスです。選手によってはボールを手で投げるほか、足で蹴って競技することもできます。
- 中川慶人選手
- 松本裕子選手
- 遠藤裕美選手
- 中村拓海選手
遠藤裕美選手はパリ2024パラリンピックでBC1女子個人の銅メダル、BC1・BC2チームでも銅メダルを獲得しています。
中村拓海選手も東京2020パラリンピックのBC1・BC2チームで銅メダルを獲得した選手です。
BC2の強化選手
BC2は、上肢を使ってボールを投げる選手のクラスです。競技中にアシスタントによる投球の補助は受けません。
- 庵木菜名選手
- 杉村英孝選手
- 蛯沢文子選手
- 廣瀬隆喜選手
なかでも日本のボッチャを代表する選手の一人が、杉村英孝選手です。
杉村選手は東京2020パラリンピックのBC2個人で、日本ボッチャ史上初となるパラリンピック金メダルを獲得しました。
パリ2024でもBC1・BC2チームの銅メダルを獲得し、その後も国際大会で日本代表として活躍しています。
杉村英孝選手の経歴やボッチャを始めたきっかけ、プレースタイルについては、杉村英孝選手を紹介した記事で詳しくまとめています。
BC3の強化選手
BC3は、自分の手や足だけでボールを投球することが難しく、ランプと呼ばれる投球補助具を使用するクラスです。
選手はランプオペレーターと連携して、ランプの方向や高さなどを調整しながら投球します。
- 一戸彩音選手
- 有田正行選手
- 高橋和樹選手
- 関根彩香選手
ランプオペレーターは選手の指示に従ってランプを操作しますが、選手に代わって試合状況を判断することはできません。
選手とランプオペレーターがどのように意思を伝え、狙った場所へボールを運ぶのかもBC3の大きな見どころです。
BC4の強化選手
BC4は、四肢と体幹に重度の機能障害があり、BC1・BC2と同程度に競技動作への影響がある選手のクラスです。
BC3とは異なりランプは使用せず、選手自身がボールを投球します。
- 内田峻介選手
- 岩井まゆみ選手
- 唐司あみ選手
BC4でも個人戦だけでなくペア戦があり、精密なコントロールに加えて、味方とどのようにゲームを組み立てるかも見どころになります。
ボッチャ日本代表は国際大会でも活躍
火ノ玉JAPANは、パラリンピックだけでなく、ワールドカップや世界選手権などの国際大会にも出場しています。
2026年4月から5月にカナダで開催されたMontreal 2026 World Boccia Cupでは、日本代表が合計7個のメダルを獲得しました。
- BC3男子個人:有田正行選手 金メダル
- BC1女子個人:遠藤裕美選手 銀メダル
- BC1男子個人:中村拓海選手 銅メダル
- BC2男子個人:杉村英孝選手 銅メダル
- BC3ペア:有田正行選手・一戸彩音選手 銀メダル
- BC4ペア:江崎駿選手・岩井まゆみ選手 金メダル
- BC1・BC2チーム:中村拓海選手・杉村英孝選手・蛯沢文子選手 銅メダル
個人だけでなく、BC1・BC2チーム、BC3ペア、BC4ペアでも表彰台に上がっていることから、日本は各クラスで世界と戦える選手を育成していることがわかります。
なお、強化指定選手や国際大会への派遣メンバーは年度や大会によって変わります。最新情報は日本ボッチャ協会の日本代表チーム情報で確認してください。
「火ノ玉JAPAN」の愛称に込められた意味

「火ノ玉JAPAN」という名前には、日本代表チームが一球一球に魂を込めて戦うという意味が込められています。
日本ボッチャ協会では、火の玉を「魂(ソウル)」や心の活力、精神、気力になぞらえています。
ボッチャは、一見すると静かにボールを投げたり転がしたりする競技に見えるかもしれません。
しかし実際の試合では、相手のボールを弾くのか、ジャックボールの近くへ寄せるのか、あえて次の投球につながる位置へ置くのかなど、一球ごとに戦術的な判断が求められます。
その一球に魂を込め、個人だけでなく日本チーム一丸となって勝利を目指す姿が「火ノ玉JAPAN」という愛称に表されています。
さらに、ボッチャがパラスポーツをより多くの人に知ってもらうきっかけとなり、大きく広がってほしいという願いも込められています。
ボッチャ日本代表を見るときはクラスにも注目
ボッチャ日本代表の試合を見るときは、選手の名前だけでなくBC1・BC2・BC3・BC4の違いを知っておくと、より競技を楽しめます。
同じ「ボールをジャックボールへ近づける競技」でも、手で投げる選手、足で蹴る選手、ランプを使う選手がおり、それぞれの身体機能に応じた方法で高い技術を競っています。
また、個人戦とチーム・ペア戦では試合の組み立て方も変わります。
杉村英孝選手をはじめ、東京2020やパリ2024を経験した選手と、これから世界での活躍が期待される選手が一緒に戦っているところも、現在の火ノ玉JAPANの見どころです。
まとめ
ボッチャ日本代表チームの愛称は「火ノ玉JAPAN」です。
日本代表候補となる強化選手は、BC1・BC2・BC3・BC4それぞれのクラスで強化合宿や国際大会に参加し、世界を舞台に戦っています。
東京2020で金メダルを獲得した杉村英孝選手をはじめ、パラリンピック経験者と新しい世代の選手がいるのも現在の日本代表の特徴です。
選手それぞれの投球方法やクラスによる違いを知ってから試合を見ると、ボッチャの戦術や一球の重みがより分かりやすくなります。


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