バスケットボールは、一般の競技の他に車椅子を使用する車椅子バスケがあります。
日本ではまだまだマイナーですが、その迫力はすごく、海外でプロリーグがあるほどの人気です。
そして日本でも車椅子バスケの漫画の人気、近頃は、国際身体障害者スポーツ大会であるパラリンピックの広報、テレビなどのメディアでも車椅子バスケが取り上げられることもあり、少しずつ知名度が上がってきました。
その車椅子バスケを観戦するときの見どころ、知っておくと面白さや魅力が増すルールなどを解説します。
車椅子バスケのルールを簡単に説明します
基本的に健常者のする一般的なバスケットボールと同じように、ドリブルやパスを駆使しながら、相手側のリングにボールを入れて得点にするゲームです。
ゴールリングの高さも、一般的なゴールの3.05メートルと同じ高さのリングにシュートします。
ほぼ同じの競技ルールでありながら車椅子バスケ独特のルールを簡単に紹介しますね。
車椅子バスケのルール
チーム人数
1チーム最大12人で、コート上には5人が出場します。
この5人のチーム構成によってスピードや俊敏性などを組み合わせて戦略を立て行きます。
試合時間
1試合10分ピリオドを4回行い、第1と第2、第3と第4ピリオドの間には2分間のインターバル、第2と第3ピリオドの間に10分か15分のハーフタイムがあります。
ダブルドリブルはなし
通常のバスケットボールとは違い、ダブルドリブルはないので、ドリブルとボールの保持を何回繰り返してもOKです。
特に、車椅子の後輪が大きくハの字に開いたスポーツ用の車椅子とはいえ、ボールを持ちそのうえ、タイヤでこぐというのは大変なこと。
狭いコートの中を俊敏に立ち回ったり、方向転換したりするのは苦難なため、一般的なファウルの一つ、ダブルドリブルという言葉自体がありません。
トラヴェリング
ボールを持った選手が車椅子をプッシュすること(こぐこと)ができるのは2回までです。
こちらも、通常のバスケットボールのルールと変わらずボールを持つと2歩以内にドリブルをしないとトラヴェリングというファウルになるのと同じこと。
車椅子を2回以内でこぐとボールを1回ドリブルをしないといけません。
トラベリングをしてしまう(車椅子を3回以上手でこいでしまう)と相手チームのスローインとなります。
ファウル
選手同士の激しい接触や、相手を押したり手を叩いたり掴むことは反則です。
1試合に5回ファールをするとその選手は退場になります。
またファールによって、相手チームのボールになることや、スローイングが与えられることがあります。
車椅子の転倒
車椅子がゲーム(試合)中転倒した場合、基本的に自力で起きます。
自力で起き上がれない場合は、審判が試合を中断するので、その合間スタッフなどが起こします。
ボールを持って転倒してしまうと相手チームのスローインになります。
クラス分け
選手の障害程度に応じた4つのクラス分けがあります。
障がい区分や身体の状態によって持ち点は1.0~4.5と異なります。
常にコートに出ている選手5人の合計点数は14点以内になる構成で試合をします。
車椅子バスケの魅力と楽しみ方
障害のある選手が車椅子を見事に操作して素早く動き、巧みなパスワークやテクニックを披露するのが魅力的ですね。
チャンスのときに車椅子の片側を見事にティルティングし(傾かせて)浮かしシュートする姿は、健常者バスケには見られないテクニックですよ。
車椅子バスケは前述したように、障がいの状態や、身体能力の個人の差による采配でチーム決めが行われます。
選手は障がいの程度によって持ち点がありますが、皆、上半身で車椅子とボールを操るわけなので、非常に見応えのあるスポーツです。
選手たちは、さまざまな車椅子に乗っているように見えますが、唯一、車いすの座面の位置は53cmと決められています。
当然、身体の大きな選手が有利にはなってきますが、床からの高さは公平になっていますよ。
車椅子バスケは健常者も参加できることも魅力の一つです。
車椅子バスケの見どころ
一番の見どころは、車椅子のスピードと相手ディフェンスをかわし、シュートする展開の速さですね。
また、各チームに障害程度の違う選手がいますが、それらの選手がどのような役割をはたしているかをじっくり観察してください。
障害程度が低いからといって、簡単に障害程度の高い選手をかわせるものではありません。
近年、車椅子バスケは健常者にも門戸が開かれていて、健常者も車椅子に乗り参加出来る大会も増えてきました。
車椅子に乗って戦っているのは世の中から弱者と思われている障害者ではなく、れっきとしたスポーツマンなのです。
ルールも一般的なバスケットボールと変わらないのに、健常者が車椅子バスケに魅力を感じ参加しているのは、バスケットボールとは全く違う魅力があるからこそだと思います。
体育館などで見上げていたバスケットボールのゴールマウスの高さが、車椅子に乗った途端高く遠いものに見えますよ。
その選手同士の距離感、車椅子自体で壁を作ってブロックしたり、味方の攻撃チャンスを作りだしたり、そのテクニックを確認して魅了されてくださいね。
まとめ
これから車椅子バスケを観戦したい方は、健常者バスケとコートの広さやルールもほぼ同じなので、それほど抵抗なく観戦できます。
車椅子バスケならではの、プレーをお楽しみください。
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